第3話大仏さんとの初デート
そんなやり取りから1週間
大仏さんから電話がかかってきた
「芽茄ちゃん次の休みはいつ?」
「来週の月曜日が定休日なのでそれまで休みはないですねぇ」
「そーかぁ」
しばらく大仏さんは考えてたみたいだが意を決したようにきりだした
「土曜日の仕事何時に終わる?」
「一応5時過ぎには終わる予定ですよ」
「じゃご飯でも食べに行こう」
「待ち合わせは」
「私車無いのでお店の前じゃ?」
「色々人に見られても……裏通りの本屋の所で待ってて」
「あっはい。でもほんとにご飯だけですからね。次の日仕事早いから飲めませんよ」
「リョーカイです」
電話を受けてくれた父の機嫌が悪いので早々に電話を切り上げた
そして土曜日待ち合わせ場所にやってきた大仏さんと2人近くのファミレスに行った
特に食べたいものも思い浮かばず数日前から緊張で胃が痛かったせいで食欲もなかった私はうどんのセットをたのんだ
当たり障りのない話をしながら食事を終え大仏さんが送ってくれることになった
送ってくれる途中で突然
「ドライブ付き合って」
と1時間半ちょっとの港町までドライブ
暗くなった堤防から海を眺めていたらいつの間にか買ってきてくれていた缶コーヒーを渡され隣に座った大仏さん
近すぎて怖くなった私は
「寒くなったので車先に戻りますね。コーヒーいただきます」と告げるとそそくさと車に戻った
数分後車に戻ってきた大仏さん
「帰ろうか」って一言だけ言うと車を出した
もうすぐ家の方に入る脇道が見える所で突然車を止めると大仏さんに抱き寄せられた
「芽茄ちゃんが欲しい」
「やだ 今はそーいうのは困ります」
「……」
「自信なくて怖いんです」
「……」
「ごめんなさい」
「気にしなくていいよ。ごめんね。俺が今晩枕を濡らすだけだから」
なんだか自虐的にいう大仏さんが可愛くてちょっとキュンとしてる
家の近くまで送ってもらってもなかなか車から降りれない
「早く降りないとキスするぞ」
「……ぃぃですよ……」
驚いていた(だよね)
さっきHは断った女だもんね(なんだこいつ)
いきなりは無理だってばいきなりは
古いかも知んないけど順序ってやっぱりあるじゃん(乙女か)
優しいキスだった
嫌いじゃない大仏さんの唇の感触もキスも
もうダメだ私この人好きだ
単純すぎる私
どーなるこの恋
2度目の恋が始まった夜
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