幕章 メルテス入隊
第8話 いざ、メルテスへ
地味に広いボロッボロの部屋、床にはゴミが散らかっていてこれがどっかの組織のリーダーのマイルームだと思うと信じたくない。今日もそんな部屋に秘書のレナが入ってくる。
レナは赤髪のツインテールでツンデレっぽさがあるが面倒見がいい16歳ぐらいの女の子。
服装はおされな制服、そしてミニスカにタイツ。メルテスの中でもみんなから可愛いと言われているヒロイン的存在なのだ。
そんなヒロイン的存在には似つかわしくないぐらいの部屋の汚さ。そんな中にいる男は────
「所長っ!またタバコをお吸いに!?一日に何本お吸いになられるのですか……!流石に取り上げさせていただきます!」
「もうかれこれ100本以上も……!これ以上吸われたら資金が持ちません!あと健康の事も──」
「まあまあ、落ち着きなよレナちゃん。俺が反転体質なの知ってるだろう?」
「資金繰りは何とかするから、ね?この通り」
彼は所長、髪は黒髪で天然パーマ、ヒゲをいい感じに生やしていて服装はパジャマのまま。体はガタイが良くて筋肉質みたいな。一言で言えばダメダメなのに何故か魅力がある男。
そんなダメダメな所長を見かねてレナはいつも面倒を見ている……というかほぼ世話係。心底彼が自分で行動できる事を願ってる。
「だーめーでーすーっ!後、明日は10本まで!頼みますよ……まったく」
と言っても所長は隠れてタバコを吸う。重度のニコチン中毒者だ。
だから所内でもヤニカスの化身、アラサーヒモ野郎、スーパージャンクマン等色々な愛称?で呼ばれている
その彼の名は────
***
「とりあえず、近くに森林地帯があるのは前に地図で見た。でもまさかこんな広いとは」
「それにここには水も沢山あるし食料はとりあえず、そこら辺にあるキノコを沢山持っていこう」
あれから全員落ち着いた為、水と食料を探すために東にある森林地帯に俺たちは向かった。
森林地帯は言わば針葉樹の森……という感じ。まるで自然が力強く根付いてるような。
リッキーが案内したい所がある、との事で最終的にはそこに向かうが水と食料を調達しない事には始まらない。なのでこちらから進むことにした。
「キノコつっても……毒キノコもあるかもしんないぜ?」
「どれが毒キノコなのか分かるのか?リッキー」
「ふふふ……もちろん分からない!」
ヴルサも俺も困惑してる。分からないのに食えと?みたいな顔して。「えぇ……」っと。
「ああ、でもそのナスみたいなキノコはヤバいって聞く」
ナスなのかキノコなのかどっちだよ、と心の中でツッコミをいれるが確かにヤバそう。
なんかこう……食べたら人の心が無くなって死にそうな感じの雰囲気。
俺たちはそれを避けて他のキノコを食べてみる事にする。リッキーは黄色いキノコを"美味しそう"と言って食べたがその直後に嘔吐してた。
まあ、リッキーの食べたキノコがやばかっただけで俺とヴルサが食べたやつは普通に問題なく美味しかったな。
キノコを食べた後俺たちはすぐに歩き出した。出来る限り速くそこに着きたいから。
その場所とは────
***
────遡ること一時間前。
「とりあえず出れたは出れたけどこれからどうするんだ?」
「それなら宛がある。俺も話で聞いたぐらいで行ってみないと受け入れてくれるかどうか分からないが」
「それはどんなの?」←ヴルサ
「終戦主義の組織、メルテス」
「何だそれ」
メルテスなんて聞いた事が無かった。リッキーの話によると戦争で行き場を無くした奴らを保護したりしているのだとか
おそらく、そこに行けば水も食料の問題も解決するはず……と踏んで向かうことになってる
***
一日目
森を抜けて、抜けた先にあった洋風の村に泊めてもらう。村の人たちは心穏やかで泊めてもらった日の昼食と夕食をご馳走してくれて出ていく時にも食糧を分けてもらった。
また機会があれば寄ろう。
二日目
村を後にして北東の方向に向かう。村を出たらそこは何かの大きい畑のよう。
そして進む途中で雨が降ってきたので急いで近く洞窟の中に隠れて、ちょうど昼飯時だった為貰ってきた塩パンってのを食べた。
味付けが絶妙で美味しかった。それから1時間ぐらいして雨が上がり洞窟から出て畑を抜ける。
そして畑を抜けると小さな森でその先には雪が降ってる山道が見えた。もちろん、防寒具なんて持ってないので小さな森で野宿。
「そういえばサンクシン殺したやつって誰だろうな。手がかりすら無いって聞いたけど」
「だね。ほんと謎に包まれてる」
しばらく俺とヴルサでそれについて考えたがあまりにも考察材料が少ない為答えを出すことは出来なかった。
ブルーノートの事もあまりにも分からない。俺がいなければ全てが破綻するという言葉の意味とか。
考えれば考えるほど頭がこんがらがってくる。
その為とりあえずヴルサとリッキーにお休みと言って寝ることにした。これで落ち着くだろう。
三日目
起きて余っていたピザってのを食べて雪道に入っていく。雪山はとても寒くて防寒具が無い俺たちにとっては過酷な環境に思えた。
何とか進めるところまで進んだが寒さに耐えきれず死にそうな感じになる。
「もうだめ……さむすぎる……」
「ああ、それはみんな同じだろうさ……もうちょい頑張ろう」
「はっくしゅん!」
みたいな感じで全員寒さで死にかけてる。どっかに防寒具なり寒さを凌げるものがあれば……!
「……これでも使え」
投げ出されたのは暖かくてふわふわな上着。3着もあってヴルサとリッキーも暖かさに浸る。
「あーありがとうございます〜ほわ〜あったけ〜……って」
「ブルーノート!?」
「!?」
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