第10話 計画

今日は日曜日!日曜日なんだよ!!


あ急にごめんね、興奮して心が叫びたがってるんだ。気持ち悪いよね許してごめんでも聞いて。


今日はなんと・・・








『モンスター狩人』の新作発売日なんだよ!!


小学校高学年くらいからこのシリーズにハマり始めて、新作が出る度に朝イチでお店に並んで買ってたなぁ。


なんでも今作は狩人が壁を走れたり蟲を利用して様々なアクションができたりと、更にアクション性に磨きがかかっているらしいのよ!


・・・やっぱり狩人ってバケモンだよね。あいつらこそがむしろモンスターなんじゃ・・・・あれ?玄関の向こうから一流狩人さんがマジ装備で大剣の溜めをする音が聞こえた気がするけど気のせいだよね。


あはは、、え大丈夫だよね?





駅ビルの中のゲームを売ってるお店は8時開店だから、7時半過ぎくらいに家出ればいっかな。



え?そんな早く行くくらいなら予約すればいいじゃんて?

もちろんしましたとも。予約特典もばっちりゲットですとも。


じゃあなんで朝イチで行くのかって?

そりゃあ、早くやりたいからですよ。


おい今「小学生かよ」って鼻で笑ったやつ出てこい!今ならモン狩分の値段を没収するだけで許してやろう。








「今日は良い日になりそうだなー」


***


話は少しさかのぼり、2日前の金曜日。

時計の針が16時30分を指して少ししたあたり。


琳月は講義が終わったあと、すぐに帰宅していた。


普段は玲や友人などと談笑をしてそのままご飯に行ったりバイト先に向かったりするため、講義が終わってすぐ直帰というのは琳月には珍しいことかもしれない。


この日琳月がすぐに帰宅したのは、



「あもしもし?今大丈夫かしら?」


と電話をするためだった。



『もしもし、大丈夫ですよ。それで、玲となんかありましたか?それとも日曜日のこと?』


「えぇ、そのことよ。が前に言ってたように、玲に日曜日の予定を聞いてみたの。そしたらやっぱり駅ビルに行くらしいわ。」


琳月は玲以外の異性を下の名前で呼ぶことがない。これは玲ももちろん知っていることで、なぜそうしているのか玲に尋ねられたときには、「玲以外の異性と一定以上親しくしたくないの。」と答えたほど徹底していることだった。


『そうですか!あいつモン狩大好きで相当コアですからね。』


「そうね、そういうところも可愛いし好きなところだわ。ゲームとかを見るって言ってたけど、きっとモン狩のことね。てことは私が前に予想してたように、やっぱり朝イチでモン狩の新作を買いに行きそうね。」


『昔から新作出るとそうしてましたからねぇ。予約すればゆっくり行けるしいいと思うんですけど。』


「きっとしてるわ、玲のことだから。でもそれでもなるべく早くやりたいってことなんじゃないかしら。ふふっ、やっぱり可愛いわね。」


『なるほど。きっとそうですね、玲のことですから。それにしても、やっぱり琳月さんは玲の考えをちゃんと汲み取れてますよね。ふたりは本当に素敵な恋人同士ですね。』


普段の琳月は他者から、ましてや男から評価や賞賛をもらっても、表情も変えずただ淡々と「ありがとうございます」と答えるだけだ。この理由には昔から琳月が優秀で褒められる機会が多かったということ以上に、男からのそれらの言葉にはどうしても下心が感じられてしまうということがあった。


そのため、このとき異性からの言葉に心からの笑みを零しながら答えたことは、もし普段琳月と行動を共にしている者たちが見れば、声を上げて驚くことになったかもしれない。それほど珍しいことだった。


「ありがと、高橋くんからそう言われるのは他の人から言われるより嬉しい。それはそうと、日曜日なのだけれど、この前話していた通りのプランでお願いできるかしら?」


『時間とかシチュエーションも特に変えないで良さそうですね。玲には申し訳ないと思いますが、他でもない玲と琳月さんのためですし。』


「そうね、これがきっかけで結果的に玲との距離が、気持ちが近づけばいいのだけれど。」


琳月がの先の未来のことを考えていると、スマホを通してと呼ばれた電話相手から何かを危惧するような声が聞こえてきた。


『・・・あの、琳月さん。やっぱり他の方法に、、』


「いえ、心配してくれるのは嬉しいけれど、このプランで行くわ。」


しかし、悲しいかな、琳月の判断は変わらなかった。



「明日は、良い日になってほしいな。」



────────────


電話越しに聞こえる声の主がもう少し説得を試みれば、はならなかったのだろうか。


琳月がもっと注意深く玲の細かい表情や声音を拾おうとしてさえいれば、は萎んで枯れてくれたのだろうか。

















────否、きっと不可避だろう。



☆☆☆


皆様、お久しぶりです。さーれです。

今回もお読み下さりありがとうございます!


まずは長らく執筆・更新できていなかった理由を、言い訳がましく述べさせてくださいませ。


期末テストが終わってすぐ、さーれ自身が入院する羽目になってしまいまして・・・。


退院したあとも親戚間で少しあったり・・・。


あれ、春休みどこ?


とまぁ、私事ではありますが少し大変な時期が重なってしまっておりました。


閲覧数や♡の数なども気づいたらすごく増えていて励みになりました。


「こんな休んでたんだからせめて書き貯めしとけよ」という話ではありますが、ごめんなさいできてません。


さて、話が大きく動きそうな予感ですね。


これからも不定期になるかもしれませんが、無理のない程度に頑張っていきたいと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る