第9話 下準備

今日は10月のとある金曜日。


昨日は琳月と瑞凪と昼食をとった後、3人で少し話してから解散した。


「そいえばあいつ、昨日の去り際もぐいぐい来たなあ」


俺と琳月は午後から講義がなかったため、それぞれ帰ることにしたのだが、瑞凪はあの後講義の予定があったらしく、俺らが帰ると知るとブーブー言ってきた。


しかも講義サボって俺と遊び行くって言い始めるし。まぁ講義行けって言い聞かせたんだけど。


『琳月先輩は帰るらしいので、私と2人で遊び行きましょーよー!』って言った後の琳月の目がやばかったんよね。なんかね、うん、、。



「よし、そろっと行きますかー」


今日は午前中に琳月とは別の講義があって、午後の講義までけっこう時間があったから一旦家に帰ってきていた。


午後の講義は琳月も履修してるし、約束はしてないけどいつも通り一緒に受けることなるかな。



「行ってきまーす」


一人暮らしでもこういうこと言うのって何気に大切だよね。家で声発することあんまりないから、「ただいまー」とか言わないと家帰って即気分が落ちてあのモードになっちゃうんよ。




今日は良い天気だね。


***


時刻は14時23分。


「・・・急がないと遅れちゃうわね」


いつもならこれくらいの時間には席に座っているのだけれど、今日はさっきまでと電話をしていたから。


「少し長電話すぎたわね」


話の内容はもちろん玲のこと。

電話自体は大学の構内でしていたのだけれど、講義が行われる教室の棟までは少し距離があった。


「・・・間に合うかしら。」


今日は玲にを聞かなければならない。











────彼女はきっと、もう



***


教室に入ると、まだ時間はあるというのに既にけっこうな数の学生が座っていた。



あれ、琳月まだ来てない?


いつもならこれくらいの時間には座っているのに。なんかあったのかな?まぁどうせ隣で座るんだし、そん時に聞くかな。


そう思って俺は2人分空いている席を探して腰掛けた。



しばらくすると教室の入口から琳月が入ってきた。時刻は14時28分。ギリギリセーフ。


待ち合わせしていない時は、後から来た方が先に座ってる方を探して隣に座るのが俺らの中で自然な流れになっていた。まぁだいたい俺の方が遅いんですけどね。がんばります。


今日も例に漏れず、琳月は入口辺りで座席を見渡していた。


しかし、俺と目が合ったかと思うと琳月は他の空いている席に歩いて行って座ってしまった。


・・・俺何かしたっけ?

もしかして昨日瑞凪がぐいぐい来たこと?まぁ確かに彼女にとって、ああいうことは気分の良いものではないだろうな。よし、後で謝っておくか。



講義は16時までか。長いな。



***


今は16時02分。講義が終わったため、教室にいた学生たちは友達と話をしたり教室を後にしたり、様々だった。


「玲は、、まだいるわね」


玲がまだ教室にいることを確認して、帰る準備を手早く始める。


準備が終わったと同時に、玲の方から声をかけてきてくれた。


「琳月お疲れさま。今日はどした・・・」


「ねぇ玲、今週の日曜日って何してる?」


聞こう聞こうと思ってたことだから、玲の言葉を遮ってしまった。


「え、あ日曜日?えーとね、駅ビル行って小説とかゲームとか見るつもりだけど」


「っ!わかったわ、それだけ。教えてくれてありがとね。お疲れさま」


あまりにも都合のいい回答すぎて素っ気なくなってしまった。早くに教えないと。






この時、私は急ぎすぎて玲の表情を見れていなかった。もし見ていたら、あんなことしなかったのに。



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今大学のテスト期間で忙しくしていて、更新がまばらになってしまっていますが、お許しください。


これからもよろしくお願いいたします!!



ここから少しずつ状況が変化していきます!

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