叛逆の始まり

「ただいま。2人とも、ちょっと大事な話があるんだけど、いいかな?」



帰ってきて早々、カルナは改まって私達にそう話しかけてきた。



「どうしたんだ?カルナ。急に改まって。」


「何回か、私が1人で出かけていた時があったよね。それに関わる話なんだ。」


「あぁ、壁の外に出てたんだろ?知ってるよ。」


「えっ?なんでそれを⋯。」


「カルナが私達を置いて、1人で出かけるなんて、余程のことなんだろ?理由は知らないけど、まぁ特に私を置いて行くなら外くらいだろうなって。」


「そう⋯か、いや、すまないね。私はマキナを侮っていたみたいだ。マキナの言う通り、私は外の世界の人。レベリオ達と密会をしてたんだ。今の政府を転覆させる為にね。その予定が決まったから、マキナにも協力して欲しいと思ってね。」


「喧嘩か?それならまぁ多少はできるが⋯、ヘレナはどうするんだ?」


「いや、マキナには、侵攻の後にある交渉をお願いしたい。マキナはそういうのが得意だと思うんだ。私は人と話すのは苦手だからね。ヘレナに関しては、無理はしなくていい。けど、もしヘレナ自身が私達と共に戦いたいと言うのなら、私は大歓迎だよ。」


「あ、あの⋯、私⋯。私も⋯、戦いたいです⋯。2人の役に立ちたい⋯。私、姉さん達と離れ離れになりたくない⋯!」


「わかった、私はその意志を尊重するよ。マキナ、交渉はお願いしていいかい?」


「い、いいけど⋯、私だってあんまり得意じゃねぇと思うぜ?私よりカルナの方が適任だと⋯。」


「いや、私はマキナの方がいいと思う。マキナには、人を惹きつけるような魅力がある。交渉においてはとてもいい才能だと思うよ。」


「わ、私も頑張ります⋯!あんまり出来ることはないけど⋯。あっ、私、武器なら⋯。」


「悪いけど、武器はもうだいたい揃ってるんだ。だから⋯、作るなら、私とマキナ、それから自分の分を作ってくれるかな?御守代わりに持っていくから。」


「分かりました⋯!精一杯作ります!」


「作戦自体は1週間後の明朝。場所は集まってから伝えるよ。」


「わかった。私も⋯、私に出来ることは全力でやる。頑張るよ。折角親友から期待されてる訳だしな。」


「あぁ、頼んだよ。」



こうして、私達の政府への叛逆が始まる。

あまりにも唐突で、でも何故か知っていたようなこの叛逆は、私にとって、悪夢の始まりだった。

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