怒り心頭

マキナにも困ったものだ。

もっと私を頼ってくれても良かったのに。

とは言うものの、マキナはあまり弱みを見せたがらないタイプだ。

私やヘレナに言わなかったのも無理は無い。


私は、森のレベリオ達を招集した。

マキナの前では冷静さを保っていたが、正直な所、今すぐにでも報復をしてしまいたい。



「急に呼んでしまってすまないね。少し話したいことがあるんだ。」


「なんだ?急に。何か不備があったか?」


「いや、むしろ準備はあまりに順調だ。今すぐにでも侵攻出来るほどにね。」


「どうした?いつものお前らしくないな。何にそんなに怒っている?」


「あぁ、親友を傷つけられてしまってね。そのことなんだが、侵攻の日時を早められないだろうかと思ったんだ。」


「なるほどな。早いとこその親友の仇をとりたいと。」


「別に死んだ訳じゃない。だがまぁそんな感じだ。」


「具体的にはどのくらいだ?場合によってはついていけない奴も出てくるぞ?」


「その場合は来られる奴だけで充分だ。それで日時だが、1週間後の明朝だ。来られるか?」


「1週間後!?予定じゃ半年後だっただろ!?なるべく集めはするが⋯、あんまり期待はするなよ?元々50人くらい来る予定だったが⋯、半分こられたらいい方だ。」


「それでいい。もとより10人程度入れば成立する作戦だからな。」


「そう⋯か、まぁとにかく集めてみるよ。だがさっきも言ったが期待はするなよ?」


「あぁ、わかってる。頼んだ。」



彼らと別れて、マキナとヘレナの元へ帰る。

彼女達にはまだこのことを伝えていない。

2人には辛い思いをさせてしまうかもしれないが、それもこれが終わるまでの辛抱だ。

きっと大丈夫、作戦は完璧なはず。

そう考えながら、私は家のドアを開ける。

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