第2話
“バタン”
うわぁ、僕の家の土地面積より小さい。まぁ、それでもここまで大きいとすごいな。で、どうするか…。ここは、身体強化並びに剣?それとも、魔法中心にするか?どうやって高ランクにしよう。ハハっ、面白いね。ここんとこ、頭使うことがなくてつまんなかったんだよね〜。楽しそう。
「おっほん、レオン。先どっち行く?」
「…!?」
正直どっちでもいいんだよな〜、どうせ5歳だから相手は絶対僕の事を馬鹿にしてると思うし、あっ、そうだ!
「アシード先でいいよ。僕、見てる。」
「かし、分かったよ。先行きますね。」
爺や、「畏まりました」と言いかけたね。まぁでも、爺やは強いよ。だって、敵の多い僕の執事だしね。負けたら、そうだなぁ。どうしよう。まぁ、その時に考えよ〜。
「ランク決定戦 アシードさん対ギルスさんです。それでは、開始!」
アシードがんばれ〜!
「おい、坊や。さっさと帰らなくてもいいのか?」
「ん?お優しいんだね、ギルド長。でも、平気だよ。だって、僕ここにいる人より強いから。」
ギルド長を見ると、面白かったのか笑っていた。
「そうか、そうか、坊や強いのか、それはごめんな。最近、冒険者の死人が多くなってきたのに心が傷んで、つい、な。悪気はないんだ。ごめんな。」
「いいよ、そういう気遣い大切だと思うし、
ギルド長はまだ笑っていたが、突如まじめな顔をしていた。
「そいつは怖いなぁ。ところで、領主の息子がなんでこんなところにいるんだ?俺に教えてぇはくれんか?しかも噂と全く違う性格の理由も、なぁ教えてくれよ?」
「ははっ、面白いや。やっぱ、ギルド長にはバレるか…。でも、おっちゃんに教える義理、僕にはないよね?ってことでこの話はおしまい。今の僕には、部下の戦いを見る必要があるからね。」
流石に、バレるよね。そうじゃなかったら、こいつも
「ちぇっ、つまんねぇ〜。その話を酒のつまみにしようと思ったのになぁ。」
「こんな時間から飲むの〜?ほんと、ダメな大人だね。」
「へっ、良いんだよ。ギルド長だから許されるのさ。」
こんな大人にはなりたくないけど、僕の父親がこんな親だったら…。
いや、もう仕方ない。こんなことを思っても、意味ない。
それよりアシードの戦いを見なければ。
「アシード、頑張れ!」
僕の声が聞こえたのか分からないが、こっちを見た気がした。
やっぱ、すごいな。剣の使い方が上手だ。見ていて、気持ちいい捌きだ。
でもこれは、もう見なくてもいいや。だって、これはアシードの勝ち以外あり得ない。相手は体格がでかいのにその分乱暴だし、剣捌きさえもさいやくだ。この人がここまでランク上がったのはパーティメンバーのおかげなんだろうな。とすぐ察してしまう。
「勝者、アシードさん」
だよね。そう思った。だって、結果は簡単に察しやすい試合だったし。
「アシード、お疲れ。じゃあ、今度は僕のばん、だよね?行ってくる。」
僕は、アシードに一声かけてから闘技場の中へ向かっていった。
「ランク決定戦 レオン対ギルド長ってえええぇぇぇえ、なに勝手なことぉぉぉ、もう怒られるの私じゃないですかぁ、はぁっ…なにスイーツ奢る?!?なら行きます!!怒られます。ってことで、アシードさん対ギルド長です。それでは開始!」
受付嬢を見ると、凄い焦っていた。しかも対戦相手ってさっきのおっさんか。相当強いだろうな。でも、僕の相手としては最高。
「ごめん、待たしたな。あそこにいる受付嬢に手間取ってな。
どうしても、さっきの理由を教えてほしくて代わってもらった。嫌なら聞かないけど、話せることは多少なりともあるはずだ。それをこのおっさんに教えてくれないか。おっさん、気になることは解消しないと夢見が悪くてな。それと、ここは防音だしさっきの場所よりは幾分話しやすいだろう。だから、戦おうぜ。」
「そんなに、聞きたいの?僕のこと知ってもつまらないよ。」
僕は、闘技場内の温度や室温、土の性質などを調べつつ、おっさんと話しながら定置についていた。一方、おっさんは受付嬢に向けて手で謝罪しつつも僕に話しかけながら定置についていた。
「ん?いいや。少なくともつまらないということはないんじゃねぇか。あんな悪評がつくぐれぇだ。もっと、おもしれぇことをしているんじゃないか?」
「さぁね、どうだろうね。僕から言うことはないよ。
言うとしたら、おっさんがこの僕に勝ったら教えてあげるぐらいかな。自分の力に過信しているわけではないけど、この力が格上にいくら効くのか。自分自身実験してないからさ。教えてよ、なぁ、おっさん?」
「へぇ〜、やっぱお前さんはおもしれえ。んじゃ、相手してもらおうかな。
しばらく、書類仕事ばっかりやってたからさ、おっさん退屈で仕方なかったのさ。だから、加減できなかったらごめんな。」
「加減か、笑える。本気で来なよ。その方がもっと面白いよ。例え、全盛期のような力は歳で出せなくてもそれに匹敵するの欲しいな?そうじゃないと、ここの税金っていうんだっけ?それ上げちゃうよ?」
「…ちっ、やっぱ所詮貴族の子は貴族かぁ。それ出されたら、本気でやらざる得ないじゃねぇか。これだから、賢い子は嫌なんだよな。的確に俺の嫌なことを分かってやがる。」
「うん、だから本気で殺ろ?ただ、驚かないでね。僕、おっさんの思う5歳じゃないから。貴族の普通の五歳でもないけど。」
僕は嬉しい。やっと本気出す決心がついたんだね。僕、この町で強いのは誰って街の人々に聞いたら大体の人が
やる気になったおっさんとどう戦おう。楽しみだなぁ。
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