第5話 これが恋。

学校生活も慣れてきた頃花ちゃんから、

「美桜は部活はいる?」


と、聞かれて


「私はまだ決めてない。花ちゃんはやっぱり陸上部はいるの?」


と、聞くと花ちゃんは


「部活はいらないよ。バイトしようかなって考えてる。」


「えっ?なんで?もったいないよ。花ちゃん短距離で県3位に入ってたじゃん。」


「うん。高校は部活やらないって決めてるんだ。私大学行きたいから、勉強に専念したいんだ。」


「そうなの。どこに行きたいの?」


「まだ、やりたいことはわからないけど、人の役に立てる仕事がしたくって。だからこれから探すの。」


「へぇ〜。花ちゃんはすごいねぇ。

自分の将来を考えるなんて。私はまだまだ今しか見えてないかも。」


「焦ることないよ。じっくり考えて。でも2年になったら文系か理数系かでクラス替えになるからそれまでに決めないとね。」


「そっかぁ。この一年が自分のやりたいこと見つけるチャンスなのか。」


私はまだ自分の将来が見えてなかった。

私には話さないけど、花ちゃんにはやりたいことがあるんだろう。

今はそのための努力をしているんだろうなって私にはそう思えたんだ。


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