第四話 三億円事変③~ほとんどお前の親父クイズ~
朝のホームルーム改めて勇者クイズのお時間です。さーて回答者は俺一名、なんだこのクソゲー。
「第一問! 父ガイアスが勇者と出会った時に浴びせた必殺技は!」
ガイアス=クライオニール……赤毛で豪放な伯爵家の騎士。赤毛といえばGガン●ムの最初のあいつも赤毛だったなぁ。
「ハイパー銀色の足スペシ●ル」
はいはい不正解不正解。
「第二問! 父ガイアスの扱う武器は!」
そしてその代名詞は、身の丈並みの両手剣『炎刃レーバティン』だ。そういえば昔作ったデスティニーガン●ムはギミックが多いし出来が良くて良いガン●ラだったなぁ。
「アロンダイトビーム●ード」
はいはいブーイングブーイング。
「第三問! 若かりし頃の父ガイアスの二つ名は!」
赤熱の伯爵騎士とか言われてたよなぁ、あいつ。伯爵といえば伯ってカウントって英語で言うんだよな、ガン●ムWでそんな呼び名あったよなぁ。
「ライトニ●グ・カウント」
はいはい閃光の伯爵閃光の伯爵。
「第四問! 父ガイアスが勇者と相部屋になった時に言ったセリフは!」
……どれだ? ガイアスと相部屋だった事なんて腐る程あるぞ。その中でも一番こいつアホだなと思ったのは、窓にこびりついた汚れを七面鳥かなんかだと思って捕まえに行こうぜって言った時だな。鳥といえばガン●ムXの支援メカカッコいいよなぁ、俺もああいうの欲しかったなぁ。
「あれはGファル●ン !」
はいはい俺にそんなの無かったですよと。
「第五問! 父ガイアスが倒した魔王軍四天王イービルホークの最期の言葉は!」
あーいたわやたらと往生際が悪い奴。早よ死ねってんのにごちゃごちゃ言い始めてさ。しかし死際のセリフか、ガン●ム作品には山ほどあるがここまでアナザーで揃えたからアナザーで統一したいよな。
「なんか静かですね〜。街の中にはギャラ●ホルンも居ないし、本部とはえらい違いだ。ああ、火星の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな」
「真面目にやれ!」
アリエスに怒られた。
「勇者じゃ無いから分かるわけないだろ、ていうかこれほとんどお前の親父クイズだろ!」
クラスメイト達が一斉に頷く。今のクイズで勇者について分かった事なんて、ガイアスと宿で相部屋だったという事だけだ。いらんだろこの情報。
「ほう、なぜこれが勇者に纏わるクイズではないとわか」
「誰でも分かるだろ!」
またしても頷くクラスメイト達。そして本当のタイムアップ、朝のホームルームの終わりを告げるチャイムが教室に響いた。
「あーあ、ちょっとでも期待したアタシが馬鹿だったわ」
背伸びをしながら前園先生がそんな事を言う。せめてこのクイズ始まる前に止めてくれませんでしたかね。
「そんな都合のいい話ある訳ないよな」
「やっぱり小テスト2点の奴はダメだな」
他の生徒達も文句を言いながら、各々が次の現代文に備えて準備を始めた。さて、今日は誰が当てられるかなっと。その前に便所でも済ませておくか。
「おいミナガワ」
と、教室から逃げようとした俺の肩をアリエスに掴まれる。
「放課後屋上に来い……お前に」
そして俺にしか聞こえない小さな声で、耳元で囁いた。
「最終問題を出してやる」
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