マジに終わり。


「タクト!」


「……ゴボォッ……。肺を……焼かれた……。まぁ……機械人形なんぞに……。肺は無いのだが……な」


どことなく分かってたが……やっぱり機械なんだな。……本当に。そんなになるまで、なんで戦わなきゃならなかったんだろうなぁ?俺らは……。


「タクト、お前に何があったんだよ……?」


「……千年前……。俺は……お嬢様に拾われ……。そこで使命を忘れ、一人の騎士としてお嬢様を守っていた……。だが……。世界がそれを許さなかった……」


「世界?」


「……最後に記憶を思い出した時、俺がこのメインクエストの第二ボスだと思い出してしまった。……そしてそれと同時に、機械と言う物を思い出した。……俺が死ねば、この世界に機械が戻る。それだけの事……。それだけの事だ」


「……」


もしかして、タクトはどこか自分がこの世界でしか、生きていられないと知っていたんじゃないだろうか?最後は決められた死が確定している人生なんて……そんなの最悪だ。


「俺も、世界のシステムの一部、お嬢様を思う感情も、きっとプログラムとやらで作られた偽りの感情。どうせ消えるなら最後は……友に殺されたいと……そう、思っていた……」


「……俺は……俺は、最後まで……居てやるよ……!」


「……そうか……。俺は……。最後の最後に……。友を、手に入れたのだな……。名を……教えて……」


もう末端からポリゴン化が始まってる。……もう長くない……!消えてほしくないのに、どうしようもない……!


「俺の名前は……黒。黒だよ!」


「そうか……。俺は……。永遠にその名を……刻み……続けて……行くよ……。最後に出来た……俺の、友達」


親友の指揮棒タクトを入手しました』


……。さよなら。


「……友の為。鳴らす独奏、ただ一つ。別れの言葉を、伝えて消える」


『強制ログアウト』


「……終わったんだね……」


タクト……。あいつは幸せだったんだろうか?今となっては誰にも分らんが……。ところでなんかあるんですけど。


「なんだこのメール……スパムかな?差出人は……『クレィル』?誰?」


知らない人からのメールだぁ……。どうしようね?このメール……。まぁ見るだけタダだし一回見てみようか。どうせゴミ箱にインするけど。


「えー何々?」


『初めまして。私はクレィル。と言っても誰かわかんないと思うけど……。タクトの関係者って言えば分かるかな』


「……何?」


文面的に……。タクトの言っていたお嬢様って奴か?


『まぁ今はちょっと色々あって電子世界に生きる存在になっちゃってさ……。アハハ……。ま、まぁ!それより本題です!実はレベル進行に伴い、私の作った機械ちゃんたちが地上に現れるんだけど、それとは別に私が作ったユニーク……。『ザ・ガン』って武器があるの』


「……」


『本当は、あいつが生きてるときに渡したかったし、もっと早くあいつに出会ってほしかったけど……。でも、しょうがないよね。だから、これだけは言っておきます』


『タクトは、貴方に会えて、きっと幸せでした』


……。


『じゃあ私は仕事がありますので!またね!』


なんだよ……。タクト……。


「お前……。良い奴に拾われたんだなぁ……!」


~五日後~


「あーダメだ全然ここ数日何にも頭に入ってこねぇわ」


『大丈夫?!』


「ダメかも。ブレマジもログインできねーし」


最近、春梅がレインをよこしてくる。正直今傷心してる心には染みる。はぁ……。早くログインしてぇなぁ……。


『まぁ確かに暇だけど……。あっそうだ、実はアプデでさ、結構派手に上方修正と下方修正されてるから一回確認してみたら?』


「そうか。……後で確認しておくわ」


まぁ間違いなく、ファストワープ君はド下方修正だろうなぁ。あんだけ派手に暴れ散らかせば、どうあがいても修正不可避!って感じだし。


「……だぁうじうじしてるのは性に合わねぇ!走ってこよう」


「あっ走るなら買い物行ってきてくれない?」


「分かったよ母さん。じゃあ行ってくる!」


ま、レベル進行後の世界も楽しむとしますかね!

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~マジカ!?マジック!!~VRMMOで魔法を極める!!これマジック!?それマジ!!~ 常闇の霊夜 @kakinatireiya

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