本気の殴り合い
「よぉ。……タクト」
「久しぶりだな……。友よ」
「アレで死んで無いのは流石って感じだが、……もう、倒れてくれって感じだよ」
……まだ生きてるの!?もうほとんど皆リソースを使い切ってるのに……!今戦えるのは目の前にいるあのクロナキだけ!
「そうか。……いずれにしろ、どうせ後三十分ですべてが終わる。どうせ終わるなら……。お前と決着を付けたい」
「そうか。……なら本気で殴りあうだけだ!」
「あんた!やれるの!?」
「……知るか!」
ぐぬぬ……。男っていっつもこう!意地だか何だか知らないけど、戦える奴にやらせなさいよ!
「まぁ殴り合いと言っても、武器も魔法も使っていいがな」
「あぁそうか!ところでそれは?」
「コレは『タクト』。俺の名前の元であり……。俺の武器だ」
何あの剣……。剣?細いってレベルじゃない。ほとんど見えないじゃない。あんなの武器として使えるの?
「死ぬ気で避けろよ」
振りかぶってる?いやなにその……まっず!これヤバい奴!
「伏せて!」
「へ?」
アイツも伏せてるけど……。何あの剣!?だって異常じゃないこの光景……!あいつが振った太刀筋の全部切れてるじゃない!伏せてない奴らも一撃でデスポーンしてるし!
「大丈夫!?」
「っぶねぇ……!しかし『
よし!あいつの魔法なら何とか……。あっ!?魔法を切った?!ってぬわっ危ない!
「なんなのこの威力……」
「魔法切るってなんだよ……」
「確かにな。だがこの剣を抜かせた以上、お前は死ぬ。『
凄い速度の突き!音が遅れて聞こえるくらいに早い!
「何が独奏だ!『
「俺の心は千年前から!ずっと孤独だ!……お前と出会い、多少は心の傷も埋まったと思った!だが、根本的に……俺と!お前は!分かり合えないんだ!」
悲しい生き物……。よくは分からないけど、きっと何かが昔にあったんだわ……。あいつは友達になろうとしたけど、千年前なんて途方もない時間を一人でどうにかできる訳無かったのね……。
「……知るかぁ!俺は!お前を!……救いたい……!」
泣くほど……なの?
「ならば俺を殺せ!こうなった以上……もう死ぬ以外に止まれないのだよ。友よ!」
「そうかよ……。この……分からず屋ぁ!!」
「今どういう状況だ?」
「あっナナナナ!見なさい!アレよ!」
「……。そうか」
今ので分かるの?!私なら絶対わかんないわよ。それより……、あの魔法。何?今までとは確実に何かが違う……。
「この一撃で死んでくれなきゃ、俺は打つ手なし。後は誰かに任せるが……。俺が始めた戦いだ、俺が殺す!」
「来い!友よ!」
腕と口と魔導書から魔力が……!今まででも二重詠唱は出来てたけど、まさかあれは……!
「俺の最大火力!『
「『
凄まじい火力の炎魔法と、さっきの奴を更に高めた一撃のぶつかり合い!で、でも……あのタクトって武器が耐えられてない!溶けてる!
「……そうか」
……腹に穴が……!
『メインクエスト:タクト撃破。
これによりレベルが進行します。
レベル進行後の世界を構築するため、
一週間のアップデート期間となります。
その間はゲームにログインできません。
あらかじめご容赦ください』
「終わった……の?」
「あぁ。……あいつの勝ちだ」
あっ駆け寄ってる。それより流石に厳しかったわねぇ……。ちょっと休憩しないと……。
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