アイツと私の物語?


「ふぅ……あいつのレインアドレスゲット!あーでも無駄にやると面倒な事になるかなぁ……?」


 しかし、アイツもブレマジやってるって言うのは結構ビックリだったなぁ。あいつそう言う感じじゃないし……。まぁ全然分かんないんだけど!


「さ、ログインしますか」


 ふぅ……。さてとね。


「あっお嬢!今日はどうしますかい?」


「さぁな。やはりメインクエストを進めたいが……。今日も特にないのか?」


「そうですねぇ……」


 色々あって私は何故かこのギルドのリーダーをやっている。名前は親父がよく飲んでる酒からとって『九夜十日』と付けた。プレイヤーネームは『ハラバイ』……『春梅』をモジった名前だ。


「ま、気楽に進めていこうか……」


「大変です姉御!」


「なんだ『ウガチ』」


「外になんかデカいのが出ました!」


 ……。何を言ってんだ?お前……。デカいのってなんだようわーっデカい!普通にデカい!巨人かなぁ!?巨人だなぁ!お、なんか騒がしい……。


「ど、どうしましょうか?明らかにボスっぽい感じですが……」


「ん」


 成程、アレがメインクエストのボス……と。誰がアレを出したんだか。まあいい……。ならやる事は一つ。まずは皆を黙らせてだな?


「やかましい!!!!!」


 よし黙ったな。


「狼狽えようが何も変わらん!いいか?何が来ようが、アレが敵である以上、我々が倒さねばならん!!私に続け!アレを打ち倒すのだ!!!!」


 ファストトラベル……。が使えるのか?どこにいるんだアレは……。さて、使えるなら話は早い!


「さて……コレがそのレイドボスか」


「そうですが……。どうしましょ?」


「まぁ待て。まだ動いていないようだしな……」


 あっバカがけしかけた!動いた!アホか!?アホか!このクソ運営がファーストボーナスなんかつける訳ないだろ!!前に一回やって準備不足で街三つ滅んだの覚えてねぇのか!?


「えぇい!これを進撃させるな!行くぞ!」


「「「了解!!!」」」


「火力が無い者はアイテムで対応!とにかく動け!的を絞らせるな!隙があればぶちのめせ!」


「じゃあ俺が文字通りの一番槍と行きますかねぇ!」


 ウガチか。まぁそれはいいんだが、そこ移動しようとしてる手の下だぞ?潰されても文句言うなよ?しかしいつ見ても凄いなぁあの『疑似召喚魔法レプリカビルド』は。


「お、行けそうか?」


 あっ無理だった。まぁ別にこいつに期待してないからいいんだけど。私は私が出来る事をする!このユニーク……『雷帝らいてい:トール』の一撃をぶち込む!!!


「お嬢が攻撃するぞ!離れてろ!」


「『雷帝の神よ!我に力を貸したまえ!……『雷神の神エル・トール』!!!!!」


 巨大なハンマーでの一撃!これ使うと小っちゃくなる上超弱体化するんだよなぁ!流石にこれで倒れるとは思っちゃいないが……。ダメージにはなるだろ!?と言うか倒れてくれよなぁ?!HPが見れない仕様なのが憎らしい……!


「姉御!見てください動きが止まりましたよ!」


「そうか……。とりあえず動けないから頼む」


 緊急事態だから何も言わないが、米俵持ちはやめてくれないか?女だぞ仮にも……いやまぁいい。何も言わないぞ今はな。


「しかしアレでもダメなんですか……」


「今のが全力じゃないとはいえ……。まるで聞いていないって感じなのは厳しいな」


「どうします?コレ厳しいんじゃないですかね?」


「そうだな。だがどうにかする手段はある。倒せないように作られている訳がない。……今はとにかく動きを制限させろ!氷属性が効くらしい!」


 さっきからチラチラ見えてる奴が氷魔法で足を止めてるからな……。つまり弱点は氷!それはいいんだけど。


「ところで氷属性魔法使える奴いる?」


「いや……」


「……。まぁ良い、とにかくこの事実を伝えろ!逃がすな!」


「了解です姉御!とりあえずここに置いておきますね!」


「あぁ任せる……」


 この戦い……。もう一発ぶち込む覚悟を見せなけりゃな……!

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