レイドボス、地獄がここに、やってくる。集え仲間よ、いざ出陣!


「なんなんすかアイツ……」


「どったのクヌちん」


「いやさっきなんかヤバいのにキルされて戻って来たんすよ。まぁアイテムはインベントリのおかげで無事だったんすけど」


「そりゃヤバいのね。で、誰にキルされちった感じ?」


「そりゃぁ……。っとナナナナ!?」


 完全に今のは俺のミスだ!不味いぞ、あいつ魔力が無いからすぐに死にかねない!その前に帰る!幸いファストトラベルは出来るが、それが出来るアイテムが無い!


「クソ……。ファストトラベルを出せクヌギ!」


「ななななんすか?!と言うか……。やられたって事っすか!?」


「あぁそうだ!早くくれ!」


「と、と言うかデスペナルティあるじゃないっすか!そんなんで行っても役立たずになるだけっすよ!」


 だがそういう状況じゃねぇ!いないよりマシだ!何かあった時盾になれる!


「むぬぅ……。まぁ良いっすよ。コレがファストトラベルのアイテム……。んでこっちがデスペナルティを無効化してくれるアイテムっす」


「おぉ!」


「ただこれ飲んで一時間経ったらデスペナが二倍になるんで」


「助かる!よし行く」


「ぐえっ」


 あ。


「クロナキ!どうした何があった!?」


「状況は今最悪最低だぞ?まぁ簡単に言えばだな……。レイドボスが最終形態になった」


「最悪だなオイ!」


「なんだ?」「何があった?」「今レイドボスって言った?」


 人が集まって来たな……。まぁいい、レイドボスはヘイト役一人いるだけで重要!強い奴が生きていればそれでいい!


「しかしマジでレイドボスが最後に……」


『全プレイヤーに通知。

 撃破報酬『世界をレベル3に移行』『職業とスキルの解放』

 メインクエストのレイドボスが解放されました。

 今から一時間以内に撃破できなかった場合

 『ツギノ街』『イチノ街』『コの島』が

 全て消滅します』


「はぁ?!」


 な……。なんて?!


「おいどういうことだ?!」「誰がレイドボスを起動させたんだよ!?」「ってかコの島ってどこだ!?」「俺らが今いる島だよ!」


 え?もしかして、コレ今最悪の状況にいるんじゃないのか!?そりゃまぁ……メインクエストボスを倒せなかった時のヤバさは知ってるけどさぁ!これは無いだろこれは!


「おいクロナキ!」


「なんだ!?」


「どうする?!」


「どうするもこうするも……倒す!それが全て!」


 まぁそうだな。いかん冷静になれ……俺。そうだ、いつもの調子に……。


「我々の、目的は一つ、あの敵だ!」


「と言う訳だ……行くぞ!」


 あっデカいっすね。あいつのいるところって結構遠いんだよなぁ……具体的に言うと、イチノ街とツギノ街に行く距離位?なのにはっきり見えるんですけど。


「あれ倒せる?」「デカくない?」「ちょっと待てよ!と言うかなんで俺ら勝手にレイドバトルに組み込まれてんだよ!」


 アッ流石にあの大きさで狼狽えてる奴が多い!不味いぞ、このままだと戦う前に終わる可能性が……


「やかましい!!!!!」


 一番やかましいのが来た!ってあれは今一番ノリにのっているギルドの『九夜十日きゅうやとうか』のリーダー、『ハラバイ』!竜人の奴だ。なぜここに?確か今四エリアにいるはずじゃ……。


「狼狽えようが何も変わらん!いいか?何が来ようが、アレが敵である以上、我々が倒さねばならん!!私に続け!アレを打ち倒すのだ!!!!」


「ハラバイの姉貴がそう言うなら……」「なんか行けるかもしれねぇ!」「よ、よし!俺アイテム補給してくる!」


 おぉ、確かにリーダーとしてのカリスマがあるらしいな!


「どうするクロナキ?続くか?」


「何言ってんだ……。先陣切るのは俺たちだ!行くぞナナナナ!ついて来いクヌギ!」


「……え゛っ!?」


「もちろんだ!」


 まず魔力塊をクロナキに渡して……。三人分のファストラアイテムはある!飛ぶぞ!

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