マジか……。って戦争。


 HPが見えないのが歯がゆいんだよなぁ!しかしそろそろいいんじゃないのかよ?!


『㏋減少ヲ検知。コレヨリ第3フェーズニ移行シマス』


「なんだ!?機械音声だぞ!」


「不味い……。第三形態だ!何かヤバいのが来るぞ!」


 そうなのか!?なら地下室は不味い……。ファストワープ!とにかく上へ!あ、やっべ魔力すっからかん!ポーションポーション……。


「一応全回復手段が無い訳じゃないが……」


「『魔力塊マジストーン』か。一個しか持てないからなぁそれ」


「そうだな……。ところで短歌で喋るのはやめたのか?」


「今やってたら死ぬわ!……。それより、来るぞ!」


 そうだな!第三形態……。何が来る?!


「……来ない?」


「……いや、何か既に……下だ!」


 床に液体がしみ込んで……あ、ヤバい。ファストワープ!


「なんだあの……なんだ!?」


「多分だが……液体化してるんだろうな」


「なら凍らせれば……『二重詠唱のダブル氷魔法アイス』!」


 流石に凍らないかぁ……。しかし、このままじゃアレに飲み込まれてアウトだよなぁ俺ら。策は……。無い訳じゃないが。


「俺死んだら次よろしくなナナナナ」


「え?」


 無い訳じゃないんだよ本当に!ただコレ燃費クソだし後隙もデカいしで使いたくないだけで……えぇい言ってられんわ!


「『最終魔法ラストマジック魔力全開放バースト』!!!}


 魔力全部支払っての自爆!まぁ死なねぇけど。ただ五分間一切の魔法が使えなくなるし、死んだも同然だろ魔力無くなったら!よーし全部吹っ飛んだぞ!やれナナナナ!


「そう言う事か……!『青色波動ブルービート』!!」


 出てきたコアをナナナナに殴らせる!しかしやっぱHPが確認出来ないの不便過ぎんだろ!


「ぐえぇ……。で、どうだ?」


「倒せたと思うが……。とりあえず回復を」


 あ?


「お……。あ?」


 え、何?なんで……?ナナナナ……?


「どうやら……貫かれたらしい。……な」


 何なんだよこの……攻撃は!?


「ナナナナ!」


「悪い……デスポーンだ」


 まだ生きてたのか!?……い、いや……。違う!地下室で音が聞こえる!


「お前は……」


「まぁ……。見ての通りだ……。なんかもう……。ダメそうだ」


 なんだこれ……。蛹……?なんかもう滅茶苦茶になってやがる……。この家ごと崩壊させる気か?マジで言ってんのか?と言うか……。何があったんだよ?


「色々言いたいんだけど……。何があったんだよ?」


「……。あの部屋を開けたのは、多分お前だろ?」


「そうだな……。でも中には特に……」


「あの中にあった死体。アレは俺のお嬢様の死体だった」


 ……。あぁマジかよ……。最悪じゃねぇかよぉ……!マジで言ってんのかそれは!?じゃあ白骨死体になった時は……。


「お前が……。閉じ込めてたって事か……?」


「そうだ。俺が……お嬢様を閉じ込め続けていた。……俺はもう、この事実を受け止められない」


「と言う事は記憶が戻ったって事……か?」


「あぁ。……恐らく、最後に入れたあの本、あのン・神の記憶と言う本は……。消えていた俺の記憶その物だったんだ」


 なんてこった……。辻褄は確かに会うが、そんなことが……そんなことがあっていいのか!?俺が回収しなけりゃよかったのか!?


「思い出さない方がよかったか?」


「……あぁ。……そうかもな……。俺はもう、多分兵器になる事を抑えられない。……。お前だけでも逃げてくれ。多分最後の最後……。コレが完成したら、俺は意思を無くし、近くにある街を破壊しつくすだろう」


「……そうか」


「……。会わなければ、よかったのかもしれない……」


「そんなこと言うな!俺はお前に会えて……よかったって思ってるぞ!」


「はは……。そうか……。あと十分で……。完全に兵器になるから……。その時は……。殺してくれ」


「タクト……」


「コ……。殺シ……。コロス!!!!」


 クソッタレがよ……!!もう浸食されてやがる!逃げる方法ならある、魔力塊を破壊!五分経過!俺を吹っ飛ばせファストトラベル!


「ファストトラベル!ツギノ街まで……俺を飛ばせ!」

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