第157話 洞窟階層の階層ボス退治

「お腹が空かないか?」


洞窟階層についてすぐロジャーが言ってきた。階段側の魔物の気配を探ってみたけど、近くに潜んでいる魔物はいないようだ。


「この階層は、大型のゴーレム戦車から小型のゴーレム戦車に乗り換えた方が良いみたいだから、その前に、中に入って、軽く何か食べようか。」


ミラ姉にハッチを開けてもらって中に入り、軽食を取ることにした。初級回復ポーション入りフルーツジュースとサンドイッチ、クッキーなんかの焼き菓子を出して、みんなで食べた。食べながら、これからの行動確認だ。


「この階層は、宝石をドロップする魔物が沢山いるのよね。そして、階層ボスを倒さないと次の階層に行くことができない。」


「そう。いままでは、この階層で宝石拾いをやっていたのと、階層ボスを倒すのが結構大変なのに加えて、次の階層の移動が難しそうだったからずっと6階層どまりなんだよね。それは、他のパーティーも一緒だから、多分何処もその下に行っていないじゃないかな。」


「レイ、カラー写真のふぃるたー?の材料の宝石は、十分あるの?」


「どうかな…。これから作るタブレット分すべての材料と言われると足りないかもしれないけど、光属性の魔石が全然足りていないんだよね。くず魔石でも十分なんだけど、どこかに拾えるダンジョンないかな。」


「くず魔石なら王都の近くのダンジョンで拾えるところがあるって聞いたことありますが、中級者向けダンジョンでしたから、行ったことは無いですね。」


「くず魔石でもそこそこの値段で売買されているんだよね。貴族の家の灯りなんかは、小さな光属性の魔石で装飾されているものなんだってさ。エリックさんが僕たちのパーティーハウスにもシャンデリアだったっけ。その光属性の魔石で飾られた灯りが欲しいって言ってた。無属性魔石に、魔法陣でともらせた灯りとは、輝きが違うんだって。」


「さて、行動確認から話がずれて来たから、そろそろ出発しましょうか。小型のゴーレム戦車に乗り換えね。そんなに急いで素材の宝石を集める必要がないのなら、階層ボスの部屋まで最短距離を行きましょう。それとさ。さっき冒険者を救助するときに思ったんだけど、大型の戦車にもゴーレムハンド付けていた方が良くない?」


「そうだな。かなりの魔力食いにはなるかもしれなけど、俺たち5人とも魔力にはかなり余裕あるからさ。必要に応じて補充するってことで、付けておこうぜ。」


「ゴーレムコアにも余裕があるから、付けてみるよ。」


ゴーレムハンドは、小型戦車に付けているから、拡大コピーするだけで精錬することができた。つぎに前方の一番上の左右に取り付ける。戦車の幅が1.5mほど大きくなったけど、情報共有をしてるシエンナなら問題ないだろう。


一度、収納から出して、シエンナに乗り込んで、腕を動かしてもらった。スムーズに動いている。コアの合成や、精錬などで20分くらいかかったけど、大型のゴーレム戦車がさらに強力になった。


漸く、階層ボス部屋に向かって出発だ。一番、最初に現れたのは、ゴーレム。こいつはスルーのつもりだったけど、コアまでの射線が空いていたので、コアだけ収納した。


レッドスライム、ブルースライム、グルーんスライムを現れたけど置き去りにしていく。他にもロックリザードもちらっと見えたけど、こいつは、この階層を超えることができないから放っておいても多分大丈夫?だ。


「ここが階層ボスの部屋だね。」


僕は、始めてくる階層ボスの部屋だ。中に入るとメタルリザードが一体いるらしい。ロックリザード以上に頑丈で、冷やせば脆くなるということもない。今までは、小型のゴーレム戦車ではいって、メタルリザードからの攻撃は、ゴーレムハンドでいなして天井から、アンディーのウェポンバレットとロジャーの投げ斧で削り続けて1時間以上かけて倒していたということだった。


でも、今日は、初めてパーティーメンバー全員で戦うことになる。そして、大型の戦車にも腕を付けたから、大型戦車で乗り込むことができる。作戦は、運転とゴーレムハンドの操作は、運転席からシエンナが行い。他は全員デッキに上がって攻撃をする。


僕とミラ姉で冷却。その直後アンディーとロジャーで物理攻撃。続けて、ミラ姉が僕が作ったファィヤーボールライフル、僕とアンディーがファイヤーボールで攻撃して直後に、物理攻撃。これを繰り返してみようということになった。


物理攻撃オンリーだと1時間以上かかっていた討伐をどのくらいの時間でできるか。挑戦だ。


『レイ:シエンナ、突入お願い。』


『オットー:了解です』


僕と、ミラ姉の冷却攻撃


「リキロゲンボール、リキロゲンボール、リキロゲンボール…。」


「アイスジャベリン、アイスジャベリン、アイスジャベリン…。」


頭、胴体、足と狙う場所を変えて撃ち込んでいく。メタルリザードは、ピクリとも動かない。


「次、アンディー、ロジャー!」


「ウェポンバレット」


『ガガンカンガガガカンッ』


『ビュッ』


ロジャーは、投げ斧を投げた。


『ガグワン』


「「ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール…。」」


『ドギューン・ドギューン…』


ミラ姉が、ファイヤーボールライフルをぶっ放している。


「なんか、気持ちいいわね。あっ、ロジャー、アンディー!」


「ウェポンバレット」


「ムンッ。」

『ビュッ』


『グワンガラン、ガガン、ガラガラガラガラ…。』


「えっ?終わったの?」


メタルリザードは、その場に倒れてしまい。すぐに金属塊と魔石になってしまった。


「今まで、あれだけ時間がかかっていたのに…。」


魔石は、きれいな青。かなりの大きさだ。前回のドロップ品は緑色だったし、その前は、赤。そして、金属塊は、ミスリルのようだ。2つを収納し、下の階へ近づいて行った。階段は、狭く、ゴーレム戦車では、降りることができない。


「じゃあ、歩いて降りて行こうか。」


「そうね。小型のゴーレム戦車に乗り換えても、すぐに降りないといけないからね。」






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