第89話 美ボディークリーム
今日は、朝から母さんと一緒に薬局を回っている。化粧品に続いてボディークリームの材料を探すためだ。体形を若々しく保つにはどうしたら良いのだろう。そもそも、若々しい体形ってどんな体形だ?
「母さん、一つ聞いていい?」
「何?」
「若々しい体形ってどんな体形のこと言うの?」
「重力に巻けていない体形よ。ヒップがクッと上がってて、お腹がツルンとしてて、胸もクッと上向いてる…なんてこんなところで言わせるんじゃないわよ…。恥ずかしいじゃない。」
「うん、僕も恥ずかしいよ。」
「それでね。ヒップアップクリームなんてものがあるらしいんだけど、そのクリームを何とか超効果的にするのと、やっぱり筋肉を適度に付けることが大切らしいのよね。増えないように付ける。どうしたら良いんでしょうね。」
「じゃあ、今日買うのは、美肌効果のあるボディークリームとヒップアップクリームで良いんじゃない?筋肉を維持・強化するなら何がいるのかな?」
「やっぱり、プロテインかな…。でも筋肉が増すぎても若々しい体形にはならないかもね。」
「じゃあ、カロリーが低くて吸収しやすいプロテインで、試してみようか。」
「そうね。でも、玲用に高カロリーのプロテインも買ってみましょう。筋肉もりもりになるかもよ。」
「それから、トレーニングの道具もいくつか狩って行かないといけないわ。塗ったり、飲んだりだけじゃ筋肉は付かないし役に立たないでしょう。使えなきゃ。」
それから、薬局でバストアップクリームとボディークリーム、ヒップアップクリームそれぞれ4本ずつと、プロテイン2種類を購入した。
そのまま、スポーツ店に寄ってトレーニング道具を購入した。ダンベル、マット、プッシュアップバー、腹筋ローラーの5種類。
母さんの買い物は手早い。方針が決まれば、即決だ。男前な買い方である。早く家に帰ってクリームとプロテインで新化粧品を作る実験をしたいだけともいう。
家に戻ると直ぐ実験だ。
まずは、簡単に作れそうな、筋肉強化ポーション。目的別のプロテイんを回復ポーションで溶かして精錬するだけ。まず、回復ポーションを作る。材料は、おじいちゃんちに行ったとき大量に採集してきた。
「アルケミー・回復ポーション 50ℓ。」
次に、ペットボトルの中に低カロリープロテインを指示された量の半分だけいれて収納する。回復ポーションをペットボトルの中に入れて取り出す。ここでよく混ぜる。効果をイメージして魔力を浸透させながらひたすら振る。
『バシャバシャ、バシャバシャ、…。』
3分以上振り続けた。疲れた。もう少しポーションを少なくしておけばよかった。
もう一度収納して
「アルケミー・筋肉強化ポーション。」
取り出す。ほぼ透明。臭い無し。
「母さん。できたよ。飲んだ後にトレーニングして、疲れ具合を教えて。」
母さんは、僕が実験している隣に、トレーニングマットを敷くと、一口だけ筋肉強化ポーションを飲んでトレーニングを始めた。
最初は、ダンベルに500gをセットいてたのだけど、始めた途端ダンベルを10kgずつにしてバストアップトレーニングをしながら、ヒップアップトレーニングをするという荒行に出た。
まず、チューブに入れたままのヒップアップクリーム2本を収納し、精錬する。これで、不純物や効果に関係ない薬剤は取り除かれるのかな?なぜか効果がアップする。
次に、ヒアルロン酸と回復ポーションを合成した物とクリームをテーブルの上に出しておいた乳鉢の中に取り出した。ここから手仕事。乳棒で混ぜる。
『ゴリゴリ、ゴリゴリ…。』
乳棒に魔力を流しながら魔力が浸透するように、クッと上がったヒップだね…、をイメージして…、恥ずかしい。均一に混ざったら収納して
「アルケミー・ヒップアップクリーム」
化粧水やクリームにしたのと同じような合成だ。ヒップアップクリームの量が2倍くらいになった。購入した4本中2本を使って4本分のヒップアップクリームが出来上がった。
「できたよ。」
僕は、出来上がったヒップアップクリームを母さんに見せた。
「もうすぐトレーニング終るからそこに置いていて、次は、バストアップクリームでしょう。ググっと張りのある生意気バストをイメージしてよ。」
母さん、息子になんてこと言ってんだろう。
バストアップクリームも作ってテーブルの上に置いた。
最後に作るのは、僕の筋力・筋肉量アップポーションだ。急にあんまりムキムキになるのは恥ずかしいし、僕はまだ、成長期だ。あんまり筋肉が付くと成長が止まるって言うことも聞くからプロテインは、3分の2量で作ってみる。作り方は、母さんたちの筋力アップポーションと同じ。さっきの反省を元にペットボトルの中に入れる回復ポーションは、3分の1ぐらいにした。
『バシャバシャ、バシャバシャ…。』
回復ポーションを足してもう一回
『バシャバシャ…。』
2回目は、1分くらいで十分だろう。
「アルケミー・筋肉量増加筋力強化ポーション。」
できた。早速一口飲んで、トレーニングを開始しよう。
母さんにトレーニングの仕方を聞いてトレーニングを開始した。本当に楽にトレーニングができる。母さんがいきなり荒行に出たのも理解できた。
「じゃあ、頑張ってね。」
「えっ?どこかに行くの?」
「隣のお部屋よ。クリーむを塗るの。見たいなんて言わないわよね。」
「遠慮しておきます。」
母さんはケラケラ笑いながら隣の部屋に行った。思春期の息子をからかったな!
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