第23話 アイテムボックス性能実験

 僕が起きていくと母がびっくりした顔で僕はを見た。


「どうしたの?こんなに早く…、そっか!キャンプが楽しみすぎて早く身が覚めたの?」


「まあ…、そうかも…。最近、向こうの世界での寝る前か記憶を失う前のことってどうしてだかはっきりと分からないんだよね。はっきり記憶していたら、寝た感じしないだろうし…。」


 「へぇ~。そうなの…。全然、覚えてないの?」


「寝ている間に使ったらしい魔術のことは、割とはっきりと記憶しているんだけどね。」


 僕は、改めて寝ている間のことを思い浮かべようとしたが、夢の中での出来事のような感じで緊張したとか、怖かったとかそんなことしか浮かんでこなかった。


 母がお弁当を作っていたから僕は、父と一緒にキャンプ道具をアイテムボックスの中に詰め込むものと車に乗せる物を分ける作業をした。


 車の中には、外から見える物を乗せて、テント内に入れておくものや、使うか使わないか分からないものはアイテムボックスの中に入れておく。


 岩石採集用のハンマーやツルハシ、スコップや簡易分析に使うと言って父が持って行くと言ってきかない薬品類。花火。バケツ。子供用のプール。

(水浴びに使うつもりらしい。)


 お風呂のお湯。冷蔵庫の氷。生鮮食品、冷凍食品(フライパン調理できる物。)。


 冷蔵庫がないと保管できなものも持って行こうというのはアイムボックスの性能実験らしい。


 後、タブレット。電波時計。手巻きの腕時計。温度計。電子機器も入れてある。


 壊れかけの古いタブレットを修理精錬したら壊れたから電子機器は精錬禁止だ。


 後、台車。何故か父が職場から借りてきた一輪車(猫車というやつ。)。


 冷凍庫も冷蔵庫もほぼ空っぽにして、一応、洗濯機まで持って行く。


 洗剤は、台所用も洗濯用も柔軟剤も持って行く。


 水道水は、かなりたくさんアイテムボックスの中に入れてある。勿論、ペットボトルのミネラルウォーターも数本入れてある。


 アイテムボックスの中に何があるかはアイテムボックス・オープンで直ぐに確認することができるからたくさんの物を収納していても何を入れたか分からなくなることはない。


家の中をあっちに行ったり、こっちに行ったりしながら思いつくままに収納するようなことになってしまった。


「あんなに早起きしたのに、もう10時だよ。」


 僕は、時計を見て呟いた。


「お弁当も準備できたわよ。」


「アイテムボックスに入れておく?」


「入れていたら、お弁当を出すときに気を使わないといけないから入れないで良いわ。車の中でもエアコンが効いているから大丈夫。念のために保冷剤も入れておくわね。」


話しながら大きなバスケットを抱えて、車に運んで行った。


「火の元確認OK。」


「玲、二回の戸締り確認してきて。」


「は~い。」


 僕は、間延びした返事で応えて戸締り確認に行った。



 「二階の戸締りOK」


「一階もOKだよ。」


 父がかぶせて言ってきた。


「じゃあ、出発しましょう。」


 僕たちは車に乗り込んだ。ここから約4時間、高速道路も使ってだ。途中で景色の良いところを見つけてお弁当を食べる予定だ。


 その時間を考えると午後3時くらいに草刈りボランティア場所に到着するはずだ。


 草狩り場に着いたらどんな実験をするかや採集する素材や精錬で合成できるのかなど、実験方法や化学実験との違いなど検討しながら車でワイワイ話をしていたら、急にどうしようもない眠気が襲ってきた。


 入院していた頃、どうしようもない痛みの時に、痛み止めを処方してもらった時のように、意識が揺れてフッと消えてしまいそうな眠気だった。


「玲?どうしたの?今朝早起きしたら?まあ…、しょうがない…わ…ね…ぇ。」


 母さんの声がだんだん遠くなり、僕は、眠気に負けていった。






【後書き】

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