第17話
『キュウ!』
「おーよしよしよしよし…賢いぞーエイル」
大森林の中心部でドラゴン見つけてから一週間がたった。
この一週間色々あった。このドラゴンが男の子になったり、なんか名前がついてたり、氷属性だけじゃなくて肉体強化も使えたり。あれ?ドラゴンのことだけじゃね?まあ、いいか。
この子の名前はエイル・ドラグーンと言うらしい。誰がつけたとか、そんなのは考えてもわからんから置いとくとして。名前聞いて気づいたんだけど、この子『青とも』でレミリアと契約するドラゴンじゃね?
久しぶりに『青とも』要素見つけて、そういやここ恋愛ゲームの世界だったな、って感想は捨て置いて…『青とも』には主人公とヒロイン全員が、ドラゴンと契約するんだ。そのドラゴンは特別な種族らしく、属性龍皇という、各属性に一匹しかいない超希少種族だ。レミリアの場合は『氷皇龍エイル・ドラグーン』て言う蒼いドラゴンだ。本編だとレミリアが18歳の時、つまり今15歳だから三年後に現れるはずなのだけど、なぜ三年早くなったのか…
あ、俺か。ドラゴンは親の魔力を吸収して生まれて、親の形質やら属性やらを引き継ぐから、エイルが氷属性以外に肉体強化を使えるのは完全に俺の魔力を吸ったから。で、俺の今の魔力量は一言で言うと化け物レベル。そして本編だとロイくんは怠惰を極めてた。つまり、エイルが三年早く生まれたのは俺のせいか。
「ロイ様、そろそろレミリア様がいらっしゃる時間ですよ」
エイルと遊んでいると、アリアがやってきた。
「ん、もうそんな時間なんだ。ありがとうアリア」
アリアから知らされて、エイルのテンションが天元突破した。
『くるるるるるる!』
「よしエイル!エレンを迎えに行こう!」
俺がそう言うと、エイルは魔力と冷気を全身から吹き出し初め、数秒後には、白のメッシュが入った青髪と、蒼と白のオッドアイを持った、6歳くらいの美少年が現れた。
『ままー!!』
「はははは!負けないぞ!」
『!まけないぞー!!』
身体強化は一切使わずに、走る。正門に着くと、マリがレミリアに撫でられていた。
『まりおねえちゃん!ずるい!』
「ごほうびです!エイルくん!」
笑顔でマリに抱きつくエイル。
癒される光景じゃぁ……
「こんにちは、ロイ様」
「こんにちは。大変そうだねレミリア」
「ふふ、甘えん坊が3人も居ますからね」
右手でマリを、左手でエイルを撫でてるレミリア。俺は後ろから抱きついておりますよ?もちろん。
「何をしていらしたのですか?」
「エイルと遊んでたんだよ。レミリアも、一緒に遊ぶかい?」
「それも良いですけど、お勉強はしなくて良いのですか?あと一年で学園に入るのですよ?」
「大丈夫!復習は怠ってないよ」
俺はマリと、レミリアはエイルと手を繋いで歩く。
俺とレミリアは、14歳だ。学園は15歳から18歳までの四年間通う必要がある。貴族の子供の義務だ。ただ、クラスは入試試験の点数で決められるから、レミリアと同じクラスになる為に頑張っているのだ。
「では、遊んでしまいましょうか!」
「『わーい!』」
ああ…母性レミリア最高。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます