第18話
というわけでやって来ました、試験当日!
この日のために、やることは全部やったから完璧だ。
「それじゃレミリア、また後で。頑張ってね」
「はい!ロイ様も頑張ってきてください!」
『キュウ!』
レミリアの肩に乗っている小さいドラゴンが、レミリアに続いて元気な声を出す。
このドラゴンはエイルだ。エイルは、レミリアの従魔って事になっている。
「さて、どうなる事やらねぇ」
この世界は『青春は君とともに』、略して『君とも』の世界だけど、その中のロイくんは最低クラスに居たけども。
流石に、レミリアと一緒のSクラスに行きたいゾ!
「隣、座っても良いですか?」
魔法を使うの禁止されてるから魔力を体内で練りに練って逆走させる遊びをしてたら、爽やかな声が聞こえた。
見ると、そこに居たのはなんと…わぁ主人公くんじゃん。
「全然良いよ」
「ありがとうございます」
金髪碧眼好青年イケメン、主人公くんは笑顔でお礼を言って座る。
うーん……天才だし、なんか良い人そうだし仲良くなろ。
「俺の名前はロイ・ロッシュだ。よろしく」
「よろしくお願いします。僕の名前は…」
「ああ、敬語はなくても良いよ。どうせ同い年なんだしさ」
「そう?じゃあ遠慮なく…僕の名前はアッシュだ。仲良くしよう」
雑談に花を咲かせていたら、試験の時間になったようで、待機してる教室に教師っぽい人が入ってきた。
「皆さん、おはようございます!今から筆記試験を開始しますよー!」
ニッコニコの男性教師(推定)が、ハキハキとそう言った。なんか胡散臭いな。
「魔法の使用、カンニング、その他不正は即刻退場となります!まあ居ないとは思いますが……もしそんな事をしたなら大々的に発表するのでお気をつけて!」
言い終わると、プリントを配り出した。
「では、開始!」
よっし目指せ満点!!
「できはどうだった?ロイ君」
「満点の自信はないが、まあSクラスに入れるだけの点をとった自信はある。アッシュは?」
「僕は、まあロイ君程ではないけど自信はあるかな」
朝の九時から十二時まであった筆記のテストを終えて、今は昼食の時間だ。この後少しの休憩を挟んで、十三時から実技試験だ。
「実技試験、どんな内容なんだろう?」
「たしか、魔法の腕と身体能力テストだったはず」
「じゃあ、ロイ君は満点だね。だって、僕が見てきた中で一番魔力の扱いが旨いんだもん」
「……魔力の動きがわかるのか?」
「?うん」
おいおい、コイツは『さすが主人公』とでも言うべきか?
魔力の動きが分かる…それはこの学園の試験を受けられてる時点で当然のものだ。なんせ、わからなかったら魔法なんて撃たないし。でも、他人の、それも体内の魔力の動きがわかるなんて、宮廷魔術師長か、賢者か、我が家のヘルくらいの魔法の練度が必要だ。それを、当たり前かのような…生まれた時からっぽいよなこいつ。化け物かな。
ちなみに、エラ&エリ姉妹は、もう少しでわかるようになる、ってこの前ヘラが言ってた。八歳なのにその域なんて
「まあいいか。一緒に頑張ろーな」
「うん。ロイ君と同じ、Sクラスになれるように頑張るよ!」
「まだ確定してないけどね」
ワンチャン、もしかしたら嫌がらせされる可能性も無きにしも非ずだし。
噛ませ悪役転生は狂気と共に 不定形 @0557
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