第2話

 とりあえず、魔力が切れたら何もできないので、朝食を食べようと部屋に戻って来た。


「うまっ!冷めても美味しいじゃんか」


 朝からこんなもん食べてたら、一日中元気でいられるくらい美味しい。


「ふぅ……お腹いっぱい」


 食べ終わってから少しすると、魔力が回復した。さっきより増えてる感じがする。

 10分で切れて1時間で全快ね。この世界は魔力は使えば使うほど増えていくし、回復速度も上がっていくから、今日からどんどん使っていこう。

 まずは肉体強化を1時間維持することを目標にしよう。




 目標を立てて早いもので1週間。ほぼずっと訓練場に居たら、家族から病気を疑われた。流石に酷い、とは言えないんだよなこれが。

 ロイ君、今までずっと自堕落な生活を送ってて、ベッドが棲家で、一日中ずっと寝て過ごしていたのだ。訓練場という単語を聞いただけで気分が悪くなるくらいのだらしないやつで、かなり横暴でもあったんだとか。

 普通は、親とかの身内が注意するものだが、なんと両親ともども親バカで、兄も1人いるのだがなかなかのブラコンな為、今まで許されていたのだ。

 そんな奴が急に1週間ずっと訓練場で何かしてるってんだから、そりゃ誰でも心配する。


閑話休題。


 この1週間ずっと訓練場で鍛錬してたおかげで、今では肉体強化を1時間以上維持することに成功して、さらに魔力が切れたらトレーニングしてたおかげで体力もつくし筋力もつくし、なんなら魔力量も何もしてない時よりトレーニングしてた方が多く増える気がするのだ。

 そんな鍛錬ばっかりしてて勉強は良いのか?ってなるけど、一応『青とも』の主要舞台の『ノーティス学園』の入試問題を受けたけど、歴史以外は満点取れるくらい簡単だったから大丈夫。


「さーて、今日も頑張りますかね!」


 準備運動とランニングを終わらせて今日からすることを振り返る。


「『青とも』では肉体強化は一定の値しか強化が入らなかったけど、ここはリアルの世界なんだ。ファイヤーボールだって込める魔力の量によって大きさが変わるんだから肉体強化の強化倍率が変化しないわけない」


 実際に、ファイヤーボールの大きさが変わっているところを見たんだから間違いない、筈。


「《肉体強化》」


 このなにも意識してないただの肉体強化の倍率は素の2倍だ。


「うん、いつもと変わらないね」


 いったん解除して、今の二分の一の効果を意識しながらもう一回発動する。


「うーん、さっきと一緒だね。じゃあやっぱり魔力量の意識かな」


 また解除して、今度は魔力量を二分の一だけ使うことを意識する。


「……うん、成功だ。言うなれば等倍強化かな」


 よし、一気に2つ知りたいことを知れたぞ。強化倍率はやっぱりいじれるし、なにも増やすだけじゃなくて下げることができる!実質バフとデバフの両方を使えるってことだ。


「じゃあ、一倍の発動の消費魔力を覚えるか」


 維持するための魔力消費は秒間だから、一秒以内に解除すれば邪魔なノイズは入らないからね。がんばっちゃうぞ☆

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