噛ませ悪役転生は狂気と共に
不定形
第一章 生まれました
第1話
ハマったゲームは数少ない。
パズルゲーム、ストラテジーゲーム、PVPなんかはそこそこハマった。
友達とのゲームの話は延々とその時ハマったものしかしないから、その時代に関わった人からはそのイメージしか持たれていない。
そして、人生で一番ハマったゲームは、『青春は君とともに』っていう名前の恋愛RPGゲームだ。戦闘がハチャメチャに好みなのだ。
移動、回避、ガード、攻撃を全部手動でできて、武器の破壊、ダメージによるデバフなんかもあって、さらに魔法があって、火、水、土、風、雷、闇、聖の7属性と誰でも使える無属性の8属性あるのだ。さらに面白いのが、7属性の魔法は熟練度によって進化して火炎、氷、大地、嵐、光、深淵、神聖になる。魔法の組み合わせによる相乗効果なんかもあって最高なんだ。ただプレイしただけでも面白いのに、オンライン対戦もあってドはまりした。
本編のストーリーは、まず初めにヒロインを一人選び、そのヒロインと結ばれるって物語だ。ヒロインの数は6人で、ライバルや敵キャラ、シナリオなんかも違う。ただ、一人だけ誰を選んでも絶対に敵となるキャラがいる。敵というかかませキャラなんだけど。
んで。どうしてこの話をしてるっかていうと。俺がそのかませキャラに転生したからだ。
「うーん、どうしたもんか…」
名前はロイ・ロッシュ。『青とも』内きっての雑魚キャラだ。魔法には適正ってのがあり、その適正にあった魔法しか使えないのだが、このかませ犬ロイ君はなんと、無属性の肉体強化にしか適正はなく、それも別に何か特別なこととかもない普通のものなのだ。
「ロイ様、朝でございます…よ?」
「あぁ、おはよう」
「ろ、ろろろロイ様が起きてらっしゃる!?!?」
驚きすぎじゃない?どんだけなのロイ君?
「おう、起きてるよ。そんなことより聞きたいことがあるんだけど」
「な、なんでしょう……?」
「訓練場って好きに使っていいのかい?」
「は、はい……」
「わかった、ありがとう。じゃあ今から訓練場に行ってくるから、朝食は後で食べるから部屋に持って来てくれる?」
「わ、わかりました!」
あのロイ様がお礼を!?とかあんなに毛嫌いしてた訓練場に!?とかっていう驚きを無視して、とりあえず向かおう。
ロイの元の記憶はあって、ロイの精神と俺の精神が合体している状態だ。で、俺の精神が強靭すぎたから今までのロイはただの記憶になったってわけ。死んだわけじゃ無いから一応安心だな。
「さーて、準備運動もそこそこに、早速使ってみるか」
周りの騎士達からの驚きの視線はフル無視で。
「《肉体強化》」
そう唱えると、体から何かが抜けるような感覚がした。
「まあ、外見は変わるわけないよな」
体を見下ろしたが、当然何かが起きたわけもなく、とりあえずでジャンプしてみた。
「おお!!これは!」
軽くジャンプしただけで一メールと少しまで飛んだ。
興奮したまま、もう一度、今度は全力で跳ぼうと思ったら、急に力が抜けて、眩暈がした。
「あれ、っととと。もしかして魔力切れ?」
確かに、ゲームでも魔力が尽きると攻撃力は下がるしふらふらにもなってたけど、本人からしたらこんな感じなんだな。いや!それよりも………
「おいおい、肉体強化おもろくね…?」
これは…ハマる
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