第5話馬鹿と新入部員

男子が雄叫びを上げて喜んでいると、

「もぅ、うるさいっっっ!」

と、副部長の小田香が叫んだ。


「初めまして、白鳥美樹です」

小田は、腕を組み白鳥の周りのを品定めするような目付きで、歩きこう言った。

「噂の美少女転校生が現れたと思えば、フンッ、ブスねっ!」

「ブスはお前だ!小田~、野郎共やっちまえっ!」


小田は男子部員から、タコ殴りの刑に処された。

唇を腫らし、

「あんた等なんか、ブゥードゥーの神に呪われればいいのよぅ」

とどめに、本町が小田を羽交い締めにし、黒川が握りっ屁を食らわすと、小田は泡を吹き、倒れた。


「白鳥さん、僕はミステリー研究会の会長とい言うか、部長と言うか、その桜山武司です。白鳥さんのような、清楚な女子が入る部活じゃありませんよ!」

「わたし、馬鹿な人が好きなんです。入部させて下さい」


男子陣は、“馬鹿“と言う言葉にこだわった。

“馬鹿“は白鳥の彼氏候補だ!

そこで、急遽、男子投票会が行われた。

無記名で、男子の馬鹿なところを書く投票である。

「えぇ~、皆さん男性陣の誰が一番馬鹿なのか?を発表します」

と、吹上ひとみが司会進行を務めた。


「先ずは桜山部長。ムッツリスケベ、極太チンコ、抱かれたい男、アナリスト」

桜山は肩を落とした。

「次は弓削先輩。イケメン、ヤリチン、動く性器、香水臭い」

弓削は、書いたであろう3人をにらんだ。

「次は本町先輩。変態、息が臭い、水虫、妹ブス」

本町は、黒川、徳重に近寄り、

「どっちだ!妹をブスって書いたのはっっっ!」

2人は無視した。

「次は、黒川先輩。勘違い男、目が殺人鬼、小学生の漢字さえも読めない馬鹿、超馬鹿」

黒川は満面の笑みで、

「OK、OK、馬鹿を2つ頂きました」

「最後に徳重先輩。馬鹿、休日は公園でおままごとしてる、見た目通りの馬鹿、そして最後に……」

「おっと、ひとみちゃん。さぁ、馬鹿と言っておくれ」

「はい。若ハゲ」

「わ、若ハゲはねえよなぁ~」

徳重は、部室の隅に体育座りした。


「さあ、白鳥さん。僕が一番の馬鹿です。早く僕の胸に飛び込んで来て」


白鳥は思いっきり飛び込んだ。そして、ぎゅっと身体を抱き締めた。

そう、白鳥は桜山に抱き付いたのである。

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