第2話盗まれた下着

その日も、会長の桜山以外は部室で各々雑誌やエロ本を読んでいた。

そして、部室の扉を勢いよく開いたヤツがいた。

そう、桜山だ。

「み、みんな、聴いてくれ!事件だ!事件だ!」

周りは、桜山を無視した。

「おいっ、事件だぞ」

「会長さんよぉ、もう迷い猫はさがさないぜ」

と、徳重がイヤらしく言う。

「ば、バカ!女子テニス部の下着が盗まれたたんだよ!」

黒川は勢いよく立った。

「桜山~、早く言ってくれよ!大事件じゃねえか!」

桜山は息を切らして、

「1度盗まれて、数日後、カピカピの状態でロッカーに戻されるらしい」

「これは、黒魔術師の仕業ね」

と、月間ムーを読みながら小田が言った。

「うっせ~、ブス!コリャ、犯人捕まえたら大金になるよなぁ」

と、徳重が鼻息を荒くして言った。


7人は作戦会議を開いた。

黒川が教壇に立った。そして、黒板に白チョークで『オナニー事件』と書いた。

「え~、オホンッ、皆さんも知っての通り、犯人は下着でオナニーして、精液を下着にぶちまけた後に犯人は戻しております。オナ……ここではオナニーと言わず、敢えてシコシコと呼ばさせて頂きます。イケメン弓削ゆげ君。君は昨夜、シコシコしたかい?」

弓削は、ずっとファッション雑誌に目を落としていた。

「はいっ!」

「おっ、吹上ちゃん」

「何ですか?シコシコって?」

「な、何を今さら、本町、シコシコ見せて見せてやれっ」

「御意!」

本町は吹上の側に寄り、ズボンのファスナーを下げた。


バキッ!


コロンコロン……ドテッ!


桜山が本町の後頭部をホウキの柄で、思いっきり殴った。

本町は流血し、気を失った。

「何しやがる!桜山!」

「黒川さんよぅ、セクハラは駄目だよ」

「桜山、覚悟!44マグナムカンチョー」


ドスッ!


徳重はカンチョーしようとしたが、桜山に避けられ、ひじ鉄を食らった。

倒れた徳重は、気を失った。


「分かりました。我々は明日、部室を観察して、犯人を捕まえます」

「どうやって観察するんだ?」

と、弓削が興味を持った。

「吹上ちゃんに部室に隠れてもらい、合図すると、我々が乗り込む?どうだい?弓削」

「OKOK、明日だな?」

「そうだ、明日だ」

桜山は厭な予感がした。……ウグッ!


桜山は黒川のカンチョーをもろに食らい倒れ込んだ。

そこに、気が付いた徳重と本町が桜山をぼこぼこにした。

お岩さんみたいに、まぶたが腫れ上がった顔を皆はスマホで撮った。


会議は終了し、ウキウキ気分の黒川は階段で靴紐を踏み付派手に階段を転げ落ちた。

唇が腫れ上がり、翌朝クラスメイトに『タラコ』、『タラちゃん』と呼ばれる羽目になった。

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