第37話 心影と黒薔薇
《【家族武器】自身の武器を家族して扱う為のスキル。武器に関しては『ファミリホーム』と言う機能で異空間に収容可能です。限定的最大強化近くの【アイテムボックス】的な認識で大丈夫です》
《他にも造ったりなどの、何らかの形で武器の力を変える時に補正が入ります。武器との親密度が上昇しやすくなります。他にも機能がありますが、気にしておくべきのはこのくらいです》
《【銃性変更】は銃の性質を変えるスキルです。例えば今はハンドガン、それをショットガンやスナイパーライフルに変える事が出来ます》
《【鈴菜家族】はこのスキルを持つ武器は武器同士で連携します》
などの説明をスズちゃん達に行い、私達は寝た。
翌朝、玲奈さんが起きるまで待っている間にモンスターを少しだけ倒した。
そして私のナイフ制作が始まる。
「アタイの認識次第でこのナイフも刀となる。やってみせるよ」
「お願いね」
その間に私もステータスを弄る事にした。
手伝える物なら手伝ってあげたいけど、今の場合、私はただの足でまといになる。
玲奈さんの技術力が一気に上がっているのだ。
《糸使いのレベルが一定に達しました。上位職へと転職が可能になりました》
《付与魔術士が派生しました》
⋯⋯あれ? 第三職業はないの?
《回答。レベルが足りません》
そっか。
ま、良いや。
糸使いの進化にはポイントを3使うらしい。本当に大きい気がする。
《糸使いが糸操縦士になりました》
《スキル【糸操縦】を獲得しました》
《【糸操縦】に【糸操作】が統合されました》
《【糸操縦】のレベルが3になりました》
MP1で糸は30メートルまで伸ばせるようになった。
さらに太さが紐程にはなり、その力は私を支えられる程になった。
ようやく使えそうになった。
その後の変化は特に無いようである。付与の方は性能が上がるのではなく種類が増えるだけで、特に変化はなかった。
「さて、他のもささっとやりますか。⋯⋯アイツを倒せる程に」
名前:水川百合
レベル:13
職P:2
能P:0
HP280/280
MP115/115
筋力:262
敏捷:252
防御:126
知力:56
器用:116
職業:重狂戦士Lv5
第二:糸操縦士Lv3
固有スキル:【詮索】【亢進】
技能スキル:【武芸術Lv5】【糸操縦Lv6】【属性付与(職制)Lv8】【隠密Lv1】【遠見Lv1】【暗視Lv1】【自己修繕Lv3】【気配感知Lv6】【熱源感知Lv3】【アイテムボックスLv10】【悪食Lv2】【立体移動Lv3】【以心伝心Lv1】
耐性スキル:【物理攻撃耐性Lv2】【精神苦痛耐性Lv4】【精神攻撃耐性Lv6】【熱耐性Lv1】【ウイルス耐性Lv1】【痛覚耐性Lv6】【火耐性Lv1】【水耐性Lv1】【毒耐性Lv3】【電気耐性Lv1】【落下耐性Lv1】【反動耐性Lv1】【衝撃耐性Lv1】【空腹耐性Lv1】
魔法スキル:無し
強化スキル:【怒りLv3】【バーサークLv6】【斬攻撃強化Lv3】【攻撃力強化Lv3】【HP強化Lv2】【MP強化Lv3】【筋力強化Lv7】【敏捷強化Lv6】【防御強化Lv2】【知力強化Lv2】【器用強化Lv3】【胃酸強化Lv2】
まずは糸を強化して、敏捷と防御、知力強化を一レベルづつ上げた。
そしてアイツとの戦いを見据えて【毒耐性】のレベルも上げた。
後はもっとレベルを上げてスキルも強くする。
「お、おお!」
「ちょ、何が起こったの?!」
ステータスの振りが終わったとの同時のタイミングで火事場を染め上げる青い光が広まった。
眩しくて目を閉じてしまう程だ。
玲奈さんの声的に完成したとの同時なのかな?
「出来たよ、ナイフ」
「⋯⋯全然違う」
完成した私の相棒を受け取る。
ベースは使っていたナイフで、鉱石を使って武器としての進化を行った。
まだ妖刀でもないだろうに、凄い迫力を感じる。
しかも見た目がそのままなのだ。
「これでも刀なのか?」
「うん。それは意識次第だって、取り敢えずその子のパートナー制作に入るから」
「うん。⋯⋯名前、決めないとね」
「良い名前を与えてね」
「もちろん」
一瞬スズちゃんの顔が出て来たがアオさんで押し返した。
でも、蛇の名前は刀の方に与えてしまったので一緒にするのはどうかと思う。
ずっと使って来た。だからもっと私らしい名前が良いよね。
「私らしい⋯⋯か。結構難しいな」
私らしい。
私の心には少しだけ影がある気がする。
あの悪魔の元に産まれて本当に死ぬってレベルの扱いを何回も受けた。
逃げた後も休まる事はなく、何回も死にそうな目にあって。
でも同年代の人は基本的に家族に愛情を貰って笑顔で過ごしていた。
強くならないと生き残れない世界観を持っていなかった。
羨ましいと思った事も一度や二度ってところじゃない。
でも、それでも幸せを感じていた時があるんだ。
スズちゃんはアオさん。この二人が私に幸せを与えてくれた。
「⋯⋯影、か」
だから守らないといけないって思いがある。
きっとアイツの血のせいで少しだけ、自分が怖くなる時がある。
あの半グレにキレた時に起きた自分。あれが怖い。
もしもスズちゃんやアオさんにあのような事態が起きたら、私は一体どうなるんだろうか。
少しだけ怖い面もある。
「⋯⋯だから、私を守ってね。君は、君の名前は『
黒色のナイフだし丁度良いかもしれない。
私の半身。
《名前を与えました。妖刀、心影が貴女に絶対的な忠誠を誓いました》
そしてもう一本も黒色だった。
こっちはシンプルにつけようと思う。
「君は『
双月刀【黒蛇】と双月刀【白蛇】の二本の刀。
心影と黒薔薇の二本のナイフ。こちらはペアって訳じゃないけどね。
心影
レベル:1
スキル:【心影】【帰属】【精神体攻撃】【投擲加速】【連撃火力増加】【連撃加速】
解説:長らく同じ人に愛用されたナイフが名工の腕前を持つ鍛冶師に打ち直されたナイフ。
使用者の為に強くなる意思が強い。
黒薔薇
レベル:1
スキル:【黒薔薇】【俊敏性向上】【連撃火力増加】【連撃加速】
《【帰属】どんなに遠くに飛ばしても願ったら帰って来ます。
【心影】影を纏わせてナイフの形状を変幻自在に変更可能。足元の影を刃として扱う事も可能となる。手に持ってなくても、装備判定なら使用可能。性能は知力と心影のレベルに依存する。
【黒薔薇】斬り裂いた相手に低確率で種を植え付けます。開花した場合、相手のMPとMPを吸収して咲き誇ります。花を取ると、そこに詰まったHPとMPを回収出来ます》
「玲奈さん。本当にありがとうございます」
これを全部、ホームセンターで試そう。
「⋯⋯ね、一度全部武器出してくれる? スズちゃんも」
私達はそれに従った。
嬉しそうに小さな笑みを浮かべながら一つ一つ造り出した武器を眺めては触れて行く。
その度に武器達からは優しい心が伝わって来る。
「ね、折り入ってお願いがあるんだけど」
そして数分の間を置いて、玲奈さんが言葉を出した。
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