第2話 狂戦士に就職しますっ!
人生によって手に入るスキルが初期から変わるのなら納得だ。
【武芸】のスキルは【剣術】【槍術】【武術】【鈍術】がレベル3で統合して性能を上げたスキルらしい。
レベル1なのは私が飽きっぽい性格である程度学んだら辞めてしまうからだろう。
この豊富な耐性スキルも頷ける。私は無意識に口元の右下から顎の下まで伸びている切り傷を触る。
クズからの殴りや蹴りの暴力と包丁で斬られた。
それが耐性となったのだろう。
火傷だってした事がある。滝行した事もあるからそれが【水耐性】に影響したのだろう。或いは風呂で窒息死しそうに成った経験か。
漏電の感電、無理矢理飲まされたアルコール。
【火耐性】【水耐性】【電気耐性】【毒耐性】納得だ。
「次に職業かな」
選択できる職業
市民、高校生、泥棒、詐欺師、ニート、引き籠もり、専業主婦、自宅警備員、解体屋、整備士、剣士、槍士、格闘家、殴り屋、戦士、騎士、狂戦士、密偵者、探偵、道化師、火魔法士、水魔法士、巫女、殺人鬼、獣使い
結構あるなぁ。
殺人鬼⋯⋯私人殺した事ないよ。
《職業はその人の人生を⋯⋯》
参照だろ?
ステータス関連はこれまでの人生から計算されているってのは分かってるよ。
いちいち報告は良いかな。
それだとなんで殺人鬼? 血筋とか思想とかそんな理由だと最悪だな。
《⋯⋯》
「えーと、詮索さんのオススメと一番強いを教えて」
《オススメは戦士か騎士、理由としては純粋な戦闘能力の高さと【武芸】との相性が良いからです》
《一番強いのは狂戦士です。戦士の上位職ですがスキル【狂化】は自分の理性を犠牲にしてステータスを上昇させるデメリットがあります。狂戦士の強みはその⋯⋯》
「【精神苦痛耐性】があるなら【狂化】のデメリットを消せるスキルもあるよね。⋯⋯それにさぁ、こんな世界でわざわざ強いの選ばないとかバカだろ!」
《狂戦士に設定しますか?》
【詮索】とは違うような声。
取り敢えず世界の声とでもして、これからは扱うか。
世界の声に私は当たり前の如く「ああ」と答えた。
「それに狂戦士とか最っ高だろ! 狂った戦士、良いね最高だよ! なんか良いところが良い!」
《職業:狂戦士に設定しました》
《ステータスに補正が入ります》
《スキル【痛覚耐性】【自己再生】【狂化】を獲得しました》
《スキル【武芸】のレベルが2に上がりました》
詮索に【自己再生】と【狂化】を確認。
《【自己再生】とはMP1をHP10に変えます。レベルが2になるとMP2でHP15回復できます》
比例で行こうよ。
《【狂化】とは理性と引き換えにステータスを大幅にアップします。具体的にLv×10パーセントです》
おっけーおっけー。
はい次にスキル行きましょうか。
アオさんは石を必死に飲み込んでいる。
選択できるスキル
観察、隠密、気配感知、熱源感知、遠見、暗視、予測、アイテムボックス
風耐性、地耐性、光耐性、闇耐性、銃撃耐性、反動耐性、落下耐性、衝撃耐性、精神攻撃耐性
HP強化、MP強化、筋力強化、敏捷強化、防御強化、知力強化、器用強化、斬攻撃強化、攻撃力強化
「おぉ」
ステータス強化系は必須だから絶対確保。
獲得には能力ポイント(能P)が1必要でレベルを上げるにはそのレベル分消費するらしい。
そして有能そうなので使えそうなモノを選んでサクサク獲得と強化を行う。
職業も同様に強化可能でレベル3、6、9になると貰ったスキルレベルが上がるらしい。
詮索を使って良い感じに調べた。
職業レベルが上がるとスキルも増える。
で、結果こうなった。
名前:水川百合
レベル:1
職P:0
能P:0
HP50/50
MP6/6
筋力:48
敏捷:48
防御:7
知力:8
器用:7
職業:狂戦士Lv4
固有スキル:【詮索】【亢進】
技能スキル:【武芸Lv3】【隠密Lv1】【遠見Lv1】【暗視Lv1】【自己再生Lv3】【気配感知Lv1】【熱源感知Lv1】【アイテムボックスLv3】
耐性スキル:【打撃耐性Lv3】【斬撃耐性Lv1】【精神苦痛耐性Lv4】【痛覚耐性Lv2】【火耐性Lv1】【水耐性Lv1】【毒耐性Lv1】【電気耐性Lv1】
魔法スキル:無し
強化スキル:【怒りLv3】【狂化Lv3】【HP強化Lv1】【MP強化Lv1】【筋力強化Lv1】【敏捷強化Lv1】【防御強化Lv1】【知力強化Lv1】【器用強化Lv1】
強化系とか感知系とかを強化しても良かったが、長い目的に便利系な【アイテムボックス】を上げた。
後は【狂化】と【自己再生】を一つレベル上げた。
耐性は増やしてない。
「能力強化系はLv×5パラメータに入ると。ふむふむ。まだ低い気がするけど、敏捷数値が時速と考えたら48キロ速いから文句なしっ」
《本来の肉体とステ⋯⋯》
「はいはい。お静かに」
とりあえずこの場にいても何も得られないので妹のところに行く事にした。
石を食べ終えたアオさんが私の太ももに絡まる。お腹壊してないよね?
屋上から外を見ると、大きな木がアスファルトを貫いて居たり、火事が起きていたり⋯⋯授業中のこの学校にモンスター来なくて良かったね。
「天変地異って奴かな。そうだ詮索さんよ。あのでっかい蜂って弱ってたよね?」
《カオス・ヴェルトになる前に自分よりも強い敵と戦ってダメージを負っていた可能性は高いです。回復の為に狙われたのでしょう》
学校サボりに向かって来るとは奴も運がないな。
対して強力な唯一無二の固有スキルを二つも手に入れた私は運が良いね!
「と、その前に」
服の中からメリケンサック二つ、もう一本のバール、特殊警棒、ナイフを取り出して【アイテムボックス】に収納。
はは、便利。
触れていると一瞬で仕舞えるようである。便利便利。
《学校は教育の場でり⋯⋯》
「そんな常識いりませーん。見つかったら完全に銃刀法違反だよねぇ。バレなきゃ犯罪じゃないんですよって言う名言があるから」
アイテムボックスは目で見れば出し入れ可能。
出し入れの誤差は現状7秒、範囲はLv×1メートル。
と、言う訳でサクサク屋上から降りて一年二組の教室へと向かった。
誰も居ない廊下を堂々と歩くのも、なかなかにスリリングで楽しい。
「ほんとは調理室で包丁と理科室でガスコンロとか手に入れたかったけど、流石に止めるか」
速く外に出たい。
教室に着いたらきちんとバレないようにしゃがんで、教室の後ろ側の扉を規則正しく叩く。
モールス信号って奴。
これで妹の
テクテクと歩いてドアを開き、階段側まで来てくれる。
「なーにしてるのお姉ちゃん」
私と同じシルバーヘアーを耳を覆い隠すようなショートヘアにしており、瞳の色は琥珀色だ。
私のロングヘアーの碧眼とはまた違う。超可愛い(圧)。
「これを見よ」
さっそくメリケンサックを虚空から取り出すと驚きを顕にする。
動きが可愛いなぁ全く。
「理解した?」
「お姉ちゃんよりも頭良くないけど、お姉ちゃんのその笑顔見たら察した。今から最高な事が起こるんだね」
「もう起こってるよ」
そして彼女は教室へと戻って行き、鞄を持って走って来る。
念の為「母が倒れたようです早退します」と棒読みで言ってこちらに来た。
「そのよく分からないモノに鞄入れて。必要な道具は取ったから」
「おけおけ。事情は動きながら言うよ」
そうして私達はノリノリで学校を飛び出した。勿論アオさんも一緒だよ。
私達三人は家族だ。母親? そんな人はもうこの世に居ない。
だいぶ昔に自殺した。
とりあえず目指すのはお世話になった極道の場所だ。
無事か気になる。
存分にこの世界を楽しもうではないかっ!
「ははは。最っ高だねっ!」
◆◆
はいそこ、リアル狂戦士とか言わない!
作者「すみません」
百合「許そう。力を寄越せ」
作者「?」
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