供養対象人形の物理的合成による呪的効果の検証

御神楽 玲奈, 納戸屋 嗣実, 亜我 裕二(阿闍梨那大)


[論文概要]


 一般に長期の愛寵を受けた人形には魂が宿るとされ、これを専門に供養する施設・団体も国内に多数ある。本研究ではそうした供養予定の人形を複数用意し、物理的に合成することでその霊的/呪的影響力が高まるかを確認した。

 合成対象の人形はN県K寺から、所有者が20年以上所持していたとされる22体を種類を問わず拝借した。さらに22体のうちより適当と思われる6体を選定し、すべての人形の頭部に目隠しを施した上で、左右の腕部と脚部、胴体、頭部の計6部位を、1体につき1部位ずつ切り離した。これら6部位を1体の人形の形になるよう絹糸で縫い合わせ、対象人物への呪詛を24時間以上聞かせたのち、対象人物に接触させ、与える影響と経過を観察した。

 実証実験として、亜我教授と合成済み人形の顔が向かい合わせになるよう教授に抱き上げてもらい、人形の後ろから目隠しを解いたところ、教授が即時の大量嘔吐、寒気、めまいおよび全身の耐え難い掻痒感に襲われたことが分かった。またその後約半年間は亜我教授が日常生活を送るのが困難になる頻度での霊現象に遭遇することとなった。

 本研究で提案した物理的な人形の合成法によって、合成済みの人形が1体では持ちえないほどの呪的地雷効果を持つことが分かったため、今後の研究では人形をミキサーにかけて再成型することで合成数を向上する手法や、合成済み人形の繰り返しの使用で呪的効果が低下するか、などを調べる必要がある。

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