阿闍梨那大学 論文集より抜粋
淀川
道切り効果の経時的低下の観察(経過報告)
下山 啓太, 亜我 裕二(阿闍梨那大)
[論文概要]
村や集落の周囲に呪物を設置することで、外部からの災いを防ぐ「道切り」という文化がある。本研究はこの呪的効果に着目し、十分に道切りされた村落から道切りのための呪物を定期的に1つずつ取り除き、村落の各種統計データからその影響を経時的に記録する。
対象とする村落は亜我教授の出身地であるA村から協力を頂いた。A村に現存する19箇所の道切りは、いずれも経文が彫り込まれた木板が村境界の木や石などに括り付けられる形をとっており、容易に除去することが可能である。これを村の北側から反時計回りに、1年につき1つ取りはずし、本学に持ち帰り密閉できる容器に保管する。これを19年繰りかえし、すべての道切りを取り除いたのちさらに5年後まで村内部の統計データを観察していく。観察対象は総人口、流入人口、交通事故死傷者数、災害被害額、出火件数、刑法犯認知件数、合計特殊出生率、荒廃農地面積とした。
本研究は現在6年目となっており、観察対象である統計値群には若干の変動傾向が見られるものの統計的有意差は認められていない。ただし、6年目に除去した道切りの木板のみ除去後の劣化速度が著しく、保管容器内で経文の読み取りが困難になるほど赤黒く変色した。当該木板が設置されていた場所の近くには亜我教授の実家があるため、亜我教授およびその親族に何かしらの変化がないか、追加の観察を行う予定である。
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