第4話
「りく、またあした。いっしょにあそぼう。やくそくな」
だいくん、変なの。
僕に明日が来ないこと知ってる癖に。
今日だけだって知ってる癖に。
最後の最後に意地悪するなんて。
約束しても明日はもう遊べないよ。
もう二度と会えないのに。
クラスのみんなにバイバイしたらきっと涙が止まらなくなっちゃうから、涙を堪えてそっとクラスを出た。
死神さんと一緒に園庭を横切り正門をくぐると、そこで僕を待っていたのは。
「じいちゃん、ばあちゃん。なんで?」
びっくりして目を丸くした。
「彼からね、りくがひとりで寂しいから、迎えに行って欲しいって頼まれたの」
「ごめんな、じいちゃんもばあちゃんもりくを守ってやることが出来なかった」
涙を流しながらじいちゃんとばあちゃんにぎゅっと抱き締められた。
「ぎゅっとされるの、こんなにあったいかいんだね。こころがぽかぽかするんだね。ママにぎゅっとされたことないから。りく、わすれちゃった」
えへへと照れ笑いすると、なぜか、僕じゃなく、おじいちゃんとおばあちゃんの涙が止まらなくなくなってしまった。
一歩前に踏み出すと綺麗なお花畑がどこまでも広がる景色に変わった。
「俺の役目は本当はここまでなんだけど、最後の最後まで面倒をみるってお前のじいちゃんとばあちゃんと約束しちまったから、新しい家族を見付けたら、また迎えに来る。だからここで待ってろ」
「うん、わかった。しにがみさん、ありがとう」
「礼はいちいちいらない。背中が痒くなるんだ」
「じゃあ、さぁ。ゆびきりげんまん。しよう」
「よし、分かった」
ゆびきりげんまんすると、死神さんが照れて真っ赤になっていた。
怖そうな外見と違い、死神さんはとっても、とっても優しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます