スピリットワールド

@kakikaki12

第1話転生

 「あー疲れた」

 仕事帰りに小さく呟く。仕事が終わった嬉しさと同時に明日仕事があることへの絶望感が降りてくる。宝くじが当たった妄想をしてあるはずのない未来に期待しながら薄暗い道をとぼとぼ歩く。

 「死のうかな」

 死ぬ気もないくせにわざわざ声に出す自分に嫌気がさしてくる。そんな憂鬱な気分で歩いていると突然光に包まれた。

「え」

気がつくと目の前に綺麗な女性が立っていた。

「こんにちは」

目の前の女性は可愛い声で話しかけてきた。

「初めまして、私はマーラと申します。」

(え、誰?)

 俺がおどおどしていると、女性が困ったような顔をする。

「言葉は通じていると思いますが…」

「あっあの、聞こえてます」

 「そうですか。それは良かったです。それでは本題に入りますがよろしいでしょうか。」

「 は、はい」

(本題って何だよ、てかここどこ?どうしてこうなった?)

 疑問がたくさん浮かびながらも目の前の可愛い女性に目を合わせることができないでいると女性は話し始めた。

 「実は私、ある世界を作りまして、その世界に人間の方々を招待しているんです。」

 女性はニコニコしている。

 「あの、どうして自分は招待されたんですか」

「べつに特別な理由はないですよ。まぁ、たまたまですね。」

(よくある異世界転生みたいなやつ?とはちょっとちがうような…)

「自分以外の人もその世界に行くんですか?」

「はい。あなたを含めて100人くらいですね。」

 (とりあえず、異世界転生でいいんだよな?特に理由はないって言ってたけど招待する理由はなんなんだ?)

俺が黙っていると女性は優しく話しかけてきた。

 「そんなに心配しなくて大丈夫ですよ。あとべつに人間の体で転生しなくてもいいですからね。」

(心配しなくていい理由がまったくわからない)

「こちらをご覧ください。」

そう言うと目の前にテレビぐらいのモニターが出てきた。画面には人間と魔物ということばが映っている。

 「こちらからどちらに転生するか選んでもらいます。人間に転生する場合は性別、人種などが選べます。魔物の場合は多種多様な魔物を選べますので、個人的には魔物をおすすめします。どちらにも共通しているのはスキルや魔法を覚えられることですね。魔法は人間の方が優秀でスキルは魔物の方が優秀ですね。」

 女性は楽しそうにはなしている。

 (どっちがいいんだろう…この人は魔物がいいって言ってるけど人間の方が馴染みやすそうだなぁ)

ふと今までの自分か浮かび上がる。

(まぁ、また人間になっても同じ感じになるんだろうな…どうせしゃべれそうもないし、でも魔物も魔物でなぁ、まぁ、どうせ転生するんだったら人間以外にするか)

「魔物にします。」

「はい、分かりました。それでは魔物を選択してください。」

 俺は魔物と書いてある場所を指で押すと画面が変わった。次の画面には色々な魔物の名前や姿、スキルなどが書かれている。

 「ここからはご自身で選択していってください。選択し終えたら呼んでいただければきますので、では。」

そういうと、女性はいつの間にか消えていた。俺は戸惑いながらも画面に意識を向ける。

 (んーどれにしようかな、異世界転生の妄想はたくさんしたけど実際に転生すると迷うなぁ)

 俺がした妄想は勇者やハーレムとかで魔物転生はあまり考えなかった。異世界転生の妄想をしたと言っても、具体的な物ではなく、こうなったらなぁなど曖昧な物ばかりだ。

 (まぁとりあえず見てみるか。)

 

 <ゴブリン> 集団で生活している魔物。繁殖力が高いが一匹だと弱い。

 

スキル 

[シャウト] 仲間を呼ぶ、自分と仲間のステータスが少し上昇する。

[暗視] 暗い場所でもはっきり見える。


<ウルフ> 群れで暮らしていることが多いがたまに一匹で行動している個体もいる。


スキル

[加速]一定時間素早さが上がる。


<スライム> 草原によくいる魔物。環境によって姿がちがうので様々な種類のスライムがいる


スキル

[消化液]あいてをとかす酸を出す。


 他にも、定番の魔物や、見た目が動物見たいのがたくさん出てきた。俺はその中からこの魔物にした。


<ゴースト>深い森に出る魔物。めったにみることがないためゴーストをみずに人生を終える人が多い。


スキル


[ドレイン]相手のHPを吸い取る。魔法攻撃力で吸い取る量が決まる


[浮遊]浮くことができる


[アストラル体]魔力の無い物理攻撃が効かないが物体に触れることができない。


 <ゴースト>を選んだ理由は説明にあまり見ないと書いてあり、なんかレアそうだと思ったのと、スキルのアストラル体か色々できそうだと思ったからだ。それにスキルドレインも陰険な俺に似合っている。魔物を選んだ俺はさっきの女性を呼んだ。


「あのーすみませーん。おわりました。」

「はーい。」

 返事が聞こえた瞬間突然目の前に現れた。

「終わったようですね。では早速転生してもらうのですが、その前に言い忘れていたことがあります。」

「な、なんですか。」

 「まず1つ目がスキルが追加で獲得できることです。まぁそれは転生してからのお楽しみです。2つ目が、あなたと同じ転生者を殺した場合いいことがあります。」

「え、殺すと?」

突然殺すと発言したことに驚いてしまった。

「そ、その良いことってなんですか。」

「それも転生してからのお楽しみです。」

そう言うと体が光に包まれた。












 




 


 

 

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