わかっちゃいるけどやめられねぇ
植木等さんは「ハナ肇とクレージーキャッツ」の一員ですが、彼の歌声は素晴らしかった。実家はお寺、朗々たる歌声にうっとり、したのは後の話で、当時はひたすらコミカルな内容に夢中でした。
「スーダラ節」。
いい大人が飲みすぎてベンチでごろ寝、体にいいわけないのだが。馬券で大損、馬で儲けたやつはいない。そんな悲哀を、
♪わかっちゃいるけどやめられねぇ
と笑い飛ばす。
小学校の教頭先生が「わかっているなら止められるはずだ、わかっていないからやってしまうのだ」と怒ったように言ってましたが、「これじゃダメだろうな」と思いつつ、やってしまうのが人間なんよね。
「ハイそれまでヨ」では、ポンコツ車を売りつけられたり、懇願に負けて結婚したら妻は「炊事洗濯まるでダメ」、注意したらぷいと出ていき、ハイそれまでヨ。
前半がフランク永井か、と思わせるムードたっぷりの歌い方、いきなりツイストに転調、意外さもあって大ヒット、子供の私も大好きでした。人生を垣間見せてもらったような。
クレージーキャッツは他にも数々のコミックソングで一世を風靡、1960年代を駆け抜けました。
「無責任男」シリーズなど映画も人気ですが、一流ミュージシャンの集まりであり今聞いても鑑賞に堪えうるどころか新しい発見があって楽しいです。
ああ、また聞きたくなってきた。
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