バロックへの目覚め
幼い頃テレビの「自然のアルバム」だったかな、小鳥たちが戯れる様子など流れるバックに使われていた、素朴な曲の数々が好きでした。
もっと聞きたいけど、どういう音楽なのかわからない、どうしたらもっと聞けるのか、渇望に似たものを抱いた、初の経験です。
今思うとリコーダーソナタなど、いわゆるバロック音楽だったのだけど、当時はそうしたジャンルは聞いたことがなく、クラシックと言えば「運命」「未完成」などのオーケストラ曲しか知らなくて。
その後。ありがたいことに父が少しずつレコードを買ってくれて、て、自分が聞くためでしたが、私は大いに恩恵を受け、バッハも好きになりました。
やがて何がきっかけだったのかヴィヴァルディの弦楽合奏曲「四季」、それもイ・ムジチ合奏団のものが大ヒット、高校生だった私もレコードを買いました。イタリアの四季は冬でさえ温暖に聞こえたものでした。
そんな時、うちの田舎にバッハ・ゾリステンというドイツの合奏団が来てくれまして。もともとバッハは好きだし「四季」も一部聞けるとのこと、期待して出かけました。
団体名も固いですが、音がまあ本当に固くて、重厚なバッハは素晴らしかったけど、彼らの「四季」は厳しい冬を思わせて、ドイツ人の解釈はこうか、とショックを受けました。
中学時代はロック寄りでしたが、バロックへの目覚めからクラシックに傾倒していった高校時代でした。ピンクフロイドの「原子心母」を小脇に抱えた詰襟の男子がいた頃です。ジャケットがホルスタインで、ヘンなの、と思ったのをはっきり覚えています。
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