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今いる公園から学校までは走って一分もかかりません。シュンヤは、すぐさまダッシュして、一番乗りで朝礼台の下にもぐりこみました。


すると、ビニール袋に包まれた何かが、朝礼台の裏側にガムテープでしっかりと貼り付けてありました。シュンヤはガムテープをひきはがして袋を開けてみました。

出てきたのは一冊の本でした。


「これが宝物?」


シュンヤはさもがっかりしたように言って、後から走ってきたケンタに本を渡しました。  

ケンタの顔がぱっと明るくなりました。


「アキラに貸していた本じゃないか。すっかり忘れてた。『少年探偵団シリーズ』の五巻だよ。これに今の宝探しとそっくりな仕かけが出てきたんだ」


ケンタは嬉しそうに本をパラパラめくりました。中から紙が一枚ひらりと落ちました。 

 

「また手紙だわ」


拾い上げたアヤミが、さっそく読みあげます。


『みんな元気ですか?引っ越す前にちゃんとあいさつできなくてごめんなさい。この宝探しゲームを思いついちゃって、準備がいそがしかったんだ。一緒に遊ぶと、うっかり話してしまう危険もあったしね。どうだった?楽しかった?簡単すぎた?金銀財宝が出てこなくてシュンヤはがっかりしているだろうね。だけどね、ここからが本当の冒険のはじまりなんだ。送った手紙をもう一度よく確かめて、暗号を解読してみてよ。ケンタ、本ありがとう。すっかり返すのが遅くなってしまってごめんね。アヤミ、手紙待っているからね。アキラより』


「なんだ、アキラの様子がおかしかったのは、この宝探しゲームのせいだったのか」


「心配して損しちゃった」


「アキラらしいけどね」


三人は顔を見合わせると、思わず吹き出してしまいました。


「安心している場合じゃないぞ、手紙によると、アキラはまだ謎をかくしているんだ」


ケンタの言葉に、シュンヤもアヤミもはっとしました。

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