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「この三通の差出人は同じ人物とみてまちがいないだろうね」


ケンタが腕組みをしてつぶやきました。


「ねえこの地図の場所、もしかしたら学校じゃない?」


手書きの地図をのぞきこんでいたアヤミが言いました。確かに、よくみると学校の校庭のように見えました。


「それに、これ見て、地図のこの方位マーク。ケンタの方眼紙にも書いてあったわよね」


三人は届いた手紙を公園のベンチに並べて置き、見くらべてみました。


「なるほどね」


ケンタがぽんと手を打ちました。


「こういうの、本で読んだことがあるぞ。この方眼紙と地図を、方位のしるしを合わせて重ねるんだ」


読書家のケンタが言うとおりに、シュンヤは地図と方眼紙を重ねてみました。

矢印はちょうど学校の正門に重なりました。


「わかったぞ。矢印の場所がスタートで、手紙のとおりに①から④の順番で進んでいくと、宝のかくし場所につくんだね」


さっそく学校にすっ飛んで行きそうになるシュンヤをアヤミがおさえました。


「『①前に3つ』というのは、方眼紙の三マス分すすむということでいいのよね」


ケンタがうなずきました。


「なんだ、足で三歩じゃないのか」


シュンヤはぺろりと舌をだしました。


三人は、方眼紙を①から④とたどって行き、ついた場所を地図に重ねて確認しました。


ちょうど朝礼台のある場所でした。

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