おひさまが見えない日でも向日葵は空を見上げて咲いてそうだな

 小宮から「光の祭典」に行こうとの連絡が来る。

 糺森ただすのもり神社にて開催されるアート展示だそうだ。夜の境内を球や卵型の光源が彩り、鳥居や社殿などもライトアップする。七変化する色が幻想的な空間へと訪問者をいざなう、そんなアートイベントらしい。

 小宮は「みんなで見に行きたい」とのことで。近藤にもすでに声をかけていた。

 中学時代と似た誘い方だ。小宮は近藤と二人のデートこそしなかったが、三人でどこかに出かけようとか、部活動にかこつけて提案することはままあった。そのほうが小宮も言い出しやすく、近藤も一対一で誘われるより応えやすかったから。

 もっとも、「みんな」のなかに近藤だけでなく、柳澤も含まれているのは少しばかり意外だった。そのことについて小宮はただ一言ラインで、〈そろそろ決着をつけたいから〉とのみ語るのだった。




おひさまが見えない日でも向日葵ひまわりは空を見上げて咲いてそうだな

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る