第二章 古代遺跡編

第7話 「これこそが古代遺跡」

 古代遺跡って雪がたくさん降った後に現れるのか。

 これ何階あるんだ?最後の階が全く見えない。

「聞いた話だと50階くらいあると聞きましたが、一つ一つの部屋の高さが大きいんだろうね。」


 博士からはショートカットできる場所があるって言ってたからあるんだろうな。だから正確には50階ではなさそう。

 これが入口かな、てか扉の大きさが尋常じゃないな。


勇敢ゆうかんな戦士よ、挑戦を受ける準備はできたのかい?)

 俺はもうとっくにできてるさ。なにしろ俺には心強い仲間が2人もいるからな!

(ならこの扉を開けるといい、君はどれくらい耐えられるか楽しみだよ)

 どうやらこのささやいてるやつは俺たちのことをなめてるみたいだな。さてどんな敵が出るのだろうか。


 あれ、めちゃくちゃ長い一本道しかないぞ、これはどういうことだ?

「ここにある看板を読んでみたのですが、どうやらこの通路を全力で走れだそうです。」

 おいおいここにきて運動かよ。ならお前に任せた。


「いや私はできませんよ、なにせ今その空間にいるのはあなただけですから。」

 俺だけだと!?ならやるしかないか。よく考えたらこれ50m走じゃねえか!

 この世界にもこれがあるんだな。ふぅ、やっとたどり着いた。だめだ少し休ませてくれ、こんなところで体力なんか使ってられるか!


(無事クリアおめでとう、だがこんなところでくたばっててもいいのかい?そして君はちゃんとしたからみんなを一気に5階まで送ってあげよう)

 それは助かるなこんなの一個ずつやってたらきりがない。次はなにをすればいいんだ?


(ここからは二手に分かれてもらう。どちらか一方は直接僕のもとへ、もう一方はコツコツと攻略するといい)

 直接向かう方は何かやばそうだなって思うから俺は論外だ。

「誰と話をしてるかはわかりませんが私が向かいましょう。」


 なら諷霊斬を向かわせる、俺たちはコツコツと登っていくよ。

(それが君の選択か、いいだろう。さてホンダ頑張るといい)


 よし頑張ろうな帆奈…ってあれ?どこにもいないぞ、まさか二人とも転送されたのか。じゃあ今いるのは俺だけだな。

 えっと次の任務は…6階から40階まで螺旋階段をのぼってね…か。いやいやいやどう考えても頭おかしいだろ、こんなの足がなくなってしまうよ。


 いやこれあれだな俺たちが来ることを想定してなくて用意できてなかったのだろう。

 また持久戦だが俺ならやれるぞ、やる気は出すものじゃない出るものなんだ!


 まだ追記があった。

「階段を一段のぼるのに約45分かかる。」

 って書いてある、おいおい完全に俺を殺す気じゃねえか!

 なんでそんなに時間がかかるか分かったぞ、めっちゃ緩やかな階段だからか。


 やばいもう疲れてきた。そりゃそうだ飲み物をまだ飲んでいないからな。

「やあ挑戦者さん、水はいらないかい?」

 こんなところに水の無料配布所がある。助かった、危うく脱水症状になってしまうところだった。


「ここは飲み物だけじゃなくて食べ物も配布しているのさ。どうだ、君も食べないかい?」

 もちろん食べるに決まってる。腹が減ってはよくない、俺は食べることが大好きなんだ。


 美味かったこれでまた元気出していけるよ。

「おやホンダはまだここにいるのかい?早くしないと君の仲間たちがやられてしまうよ。」

 なんだって!?こんなところでのんきにしてる場合じゃねえな。てかなんで俺がここにいるのがわかるんだ?


「なんでかって?ここは僕の領地だ監視カメラくらい置いておいても問題ないだろう?」

 ここの世界にもそのような技術を持っている人がいるんだな。


「ハハハッ、頑張りたまえ。ではまた会おう」

 うおおお、意地でも昇りきってやるぞ。

 もうかれこれ3時間は休まずにのぼり続けたがまだ30階だ。めっちゃしんどいけどここで休んでいるわけにはいかない!


 や…やっと40階に着いた。こ…ここは何だ?

 きゅ、休憩所か。とりあえずここで休むとしよう。

「やっと着いたんだね、お疲れ様。今日は休んだ方がいいよ。さ、ここのベッドで寝るといい」


 ああよく寝た。あれ?ここは昨日いた場所じゃないぞ。なるほど今は49階にいるのか。


(おはようホンダ君、キミは昨日、夢遊むゆうしてたんだよ。突然いなくなったときはさすがに驚いたよ。さあこの扉を開けるといい僕はこの先で待ってるよ)


 これか、けどこの扉結構硬いぞ。なかなか開かない、まさかこれも試練だというのか⁉

(その通りだ。その扉を開けられないものはこの先に来ることができない)


 また性格の悪いことしやがって、ダメだ俺一人ではどうすることもできない。

「本多君、私がいるわ!」


 ん?この声はまさか!

 帆奈、やはりお前だったか。でもどうしてお前がここにいるんだ?

「私はここで歩藻を待っとけって言われたのよ。さあ今こそ私たちの協力技を使うときね!」

 あぁ最初この世界に来た時に思い付いたやつだな。


 この技は帆奈の力を素だと弱い俺にそのまま移すやつだ。


 これを使えば扉を無理やり開けることができるはずだ。

 バコーンと扉が壊れた。

 よっしゃ、このまま奥へと進むぞ。これでやっとあいつを助けれる。

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