第4話 「緊急作戦:諷霊斬の陰謀阻止」
やつの陰謀を阻止するために何か手段はあるのか?
「特に策とかはありません。この手で奴をつぶすしかないのですよ。」
これまた物騒だな。叩き潰すってか、まああいつには慈悲を与えない。
しかしこの乗り物、すごい高速だな。この速度だとあっという間に追いつきそうだ。
ん?あの木がいっぱい生えているところが楽園ってか、いやこんなんじゃ複雑すぎて探すのはとっても難しいと思うな。
「たしかにあの楽園は雨林だがそれは関係ないよ。あいつがいるところが地上ではなく上空だよ。だからこいつを使ったんだ。」
雨林関係ないのかい。あ、たしかに上空になんか浮いてる。あれがなんたら楽園か、趣味の悪い建物やな。
「さあついたよ。この中にいるはずだよ、扉を壊そう。」
強行突破か。なかなかにやばいことをするな。
「またキミたちですか、いつもいつもキミたちは私の邪魔をしますよね。」
俺はいっつもお前を邪魔した覚えはないぞ。
「私の研究の邪魔をしないでください元国王陛下。今は私こそが真の国王です!」
は?あいつが国王だと、そんなわけないだろ!
「君は何を言っているのかな?お前はランク的に国のトップにはなれないだろう。」
そうだぞあいつは少佐なんだ、あんなやつがトップになっていいわけない。
「どうしてもなれないならキミを殺すしかないようですね。そうすれば必然的に私がトップになれるのです‼さあ元国王であるキミには死んでもらいますよ!」
諷霊斬は戦闘態勢に入っているが挑発しかしてこない。
「僕には作戦がある。アユモ君にはこれをつけてもらうよ。見るからに武器を持ってなさそうだからねこれで魔法を使うといいよ。」
これで俺も戦えるってか!
「これ、どうやったら使えるんだ?」
適当になんかやればつかえるか。よいっと、お、できた出来た。
これで諷霊斬を殴ればいいんだな。オラッ!死ねよ‼
「ぐぅおああああああっ!」
よし腹に当たったぞ。
「ゲホッゴホッ、いきなり殴りかかってくる…とは。」
「まあいいでしょう。私は殴り合いが好きじゃないんです。まずは交渉をしましょう。」
交渉から持ち掛けてくるとは、こいつ
今はこいつの話を聞いてやるか。
「いいよ、君は一体どんな条件を出すんだい?ま、
マジか予想はついてるのか、俺にはまだ分からんぞ。
「分かってるのなら話が早いです。私の条件は、国王にすることです!」
まだあきらめてなかったのかよ。こりゃ話し合いは難しそうだぞ。
「これ言うの何回目かわかんないけど、君では無理だよ。なにせ僕には後継者がいるからね。」
いつのまにつくったんだ、あの時はいないって言ってたのにな。これでやつの陰謀は阻止できるはずだ。
「私が見る限り、後継者なんてどこにも見当たりませんが。まさか隠し子でもいるというのですか⁉」
「いや君は何を言ってるんだい、ここにいるじゃないか。次期王様はこのアユモ君さ。」
え、俺…なのか。でも俺はこの世界の文字とかわかんないし、書けないぞ。
うん?まてよ、なんでこいつらは俺たちの言葉が通じるんだ?
(やっと気づきましたか。なぜ通じるのかはわたくし、言葉の神シャベリーヌのおかげなのよ)
今だれかが俺に
「まさかこの
無茶苦茶なことを言うなよ。俺だって驚いてるわ、なにせめちゃ重要な地位だからな!
「無理やりじゃないよ。僕は出会ったときから決めたんだよ?」
「今のあなたはあくまで代理、まだ東西で分裂してる!あなたが統括してるのは西側でしょ、私は東の方のトップなんです!」
だいぶ焦ってやがるな、だがそんなの興味はない。地図で見たんだが西の方が領地が多い。
「君の統括してる場所よりも、僕の領地の方が多いだよ。だから君では無理なんだよ。だから選ぶ権利は僕に来た。」
そうだぞ、お前には選ぶ権利はないんだ!
「話し合いが無理なら、私は軍の力で無理やり分からせますよ!」
でた見せつけの軍隊だ。ただ聞いた話だともう彼のもとには…
「もう君のところには来ないよ。なにせたった今、僕の秘書が統合宣言をしたからね。君はただの一般市民というわけさ。」
今宣言されたのか、ソレイマヌさんからもらった電子新聞とやらで見てみよう。
あ、確かに宣言されてる。しかもめっちゃ歓喜の声がってかいてある。
「そんなはずが、この私が一般市民だと⁉おいお前、一体何をした?」
(アユモ君、この万能解毒薬を彼女に打ってきて。もう彼はすべての権限を失ったからね)
分かった、今すぐしてくるよ。待ってろよすぐになおしてやっから。
「おい!そこでこそこそとなにをしているのですか?やめろ!私の唯一の被検体に手を出すな‼」
「君にはもう実験する権利はないんだよ。だから彼が何をしようとも君は何もできない。」
その通りだ。どこに打てばいいんだ?腕とかかな。
「腕でいいよ。首に打ったら何が起こるかわからないからね。」
よし打ったぞ、後は待つだけだな!
「そ、そんな私の努力の成果が…。」
「諷霊斬元少佐、君には二つの選択肢を与えよう。また冒険者に戻るか、彼のサポートをするか。さあどっちを選ぶんだい?」
無茶苦茶な選択肢だな。
「私は、もうあの家には戻りたくない!せっかく頑張ってここまで築き上げたのにこれで家に帰ったら本当に落ちぶれになってしまう。」
「なら君には一つの選択肢しかないね。じゃあこれからは頼んだよ。」
こいつは信用ならんが、今は落ちぶれたただの一般市民。つまり俺と同じ身分ってわけだ。
「分かりました、尽力します。」
ところで彼女はいつ目覚めるんだ?なかなかめざめないから心配になってきた。
「あと1時間すれば目覚めるよ。目覚める前にここから出て新研究所に戻ろう。」
そんなにかかるのか。ま、まあいいやとりあえず目が覚めたのなら一人にしてすまなかったと言おう。なにせこうなったのも全部俺が悪い。
「ここが新しい僕たちの
めっちゃリニューアルされてるな。外装も内装も全部がキレイだ!
「彼女はどこかにあるソファやベッドに置いておいてくれ。」
なあおまえはそんな地味な服でいいのか?
「ええ構いませんよ。もう私に目立つ服は着れませんからね。」
いくら普通の服とはいえ黒と白の服しか着ないのはどうかと思うけどな。だが、俺もその黒のマントは欲しいな。
「黒と白しか着ないのは私の好きな色だからです。これが欲しいならいくらでもあげますよ。」
そう簡単に渡していいものかな、だがくれるならありがたくもらっとこ。しかしなんで全身を包み込むようなマントなんだろうか。
「それは相手に武器を持っていないとう錯覚させるためです。」
なるほどそのためにあるのか。
「すまないね二人とも、少しばかり飲み物を用意してたんだ。客人に出さないわけないだろう。」
飲み物はありがたいな、これはお茶か。懐かしいなあ故郷を思い出す。
「私はまだキミがどこの出身なのか聞いていなかったね。」
俺たちは遠い場所から来た。
「遠い場所から人間が来るというのは本当だったんですね。今まで信じ切ってなかったのが恥ずかしいくらいです。」
本にでも書いてあったのか?でもこれで二人は信じてくれた。
「さて話を戻そう。僕はもう王じゃないがアユモ君が成長するまでは代理を続けるよ。」
「いやあなたがそのまま王でいいんじゃないのかな。」
「私もそう思います。あなたのほうが優秀だ。」
意見が合致した。これでソレイマヌさんはまた国王だ!
「彼女が目覚めるまでにご飯を作っておかないと。アユモ君はまだ食べてないでしょ。」
そういえばまだ一回も食べてなかったわ。
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