第3話 「研究室で一休み」
ここは一体何部屋あるのだろうかっていうくらい広いし大きい。
「どうぞ自由にくつろいでくれたまえ。そうかしこまる必要はないよ。」
自由にくつろいでいいのかな。結構大事そうなものがいっぱいあるんだがな。
「いっぱい実験用の器具があるんだね。私もびっくりだわ、ん?なんかこの瓶見たことあるわね。」
まさかあいつが打った時の試薬の瓶じゃないのか?
こいつはあの国のものなんじゃ…
まさかなソレイマヌ研究所長がそんなもの作るわけないか。
「そういえば今日は客人が来るんだった。ちょっとそこのクローゼットの中にでも入っておいてくれないか?」
「わかった。でも客人が来ることを忘れていたんだな。あんたにしては珍しいんじゃないのか?」
言われた通りクローゼットの中に隠れよう。そんなに大事な会議があるのか。
クローゼットの中にある服、全部高そうなものばっかじゃねえか!
「研究所長はいるか?」
「ああ僕はここにいるよ。何か用かな
またあいつか。あいつは何しに来たんだ。
「ソレイマヌ国王陛下⁉なにゆえここにおられるんですか?」
え?研究所長じゃなくて国王陛下…だと⁉
「なんでって僕は国王陛下だし一応ここは僕の国の領土だからね僕がどこにいようと関係ないと思うよ。で、例の試薬が完成したって言ってたけど僕に見せてくれるかな?二つあるよね」
ふたつの試薬?なんだそりゃ。
「いや…そのとある
あの時使った試薬か!
「ほう、僕の許可なしに使ったと。君は僕の作った法令を読んでなかったのかなあ?」
だんだん彼の言葉が強くなっていっている。
「大変申し訳ありませんでした!ですがあの異端の人間たちが悪いんです!」
はあ?俺たちのせいだとふざけるな!
「君は彼らのせいだというのかい?どうやら君には
「そ、そんなお待ちください!」
めっちゃ焦ってやがる。実に滑稽だな、ざまあ見ろって感じ。
「慈悲なんてあげないよ。なにせ君はもう二回もやらかしてるからね。君は今日から少佐に降格だ」
あらら降格なんて恥ずかしいね。しかも俺たちがいる前で降格処分とかね笑える。
「君は研究する権利はないから。今すぐ
諷霊斬少佐は帰っていった。もうさすがにでてもいよね。
あれ?いないのか、いや違う
とりあえずここの椅子に座って待っとくか。
ん?帆奈はもう寝たのか。
「完成したよ。おやもう寝てしまったのかい。まあさすがに休めてなかったしね。ゆっくり休むといいよ、僕はまだ仕事が残ってるからね。目覚めたら飲ませるとしよう。」
あれ、いつの間にか寝てしまっていたのか。やっぱり体は疲れてたのか。もう少し休みたいが…研究所長がいないぞ。どっかに行ったのかもな。
「すみません所長はいますか?」
「いえ今は外出中ですが…」
「ああ、あなたが代理所長なのね。じゃあこれにサイン
サインくらいは任せろ。ちゃちゃっとおわらせる。
「代理所長、サインありがとね。おかげで旅行に行けるわ。近頃ここの宿営地は爆撃されてるのよ。あなたも気を付けてね。」
気づかいありがとさん。マジかここ被害にあってるのか…。
「そういえばもう一人はいないような気がするんだけど。まさかさらわれたんじゃない?」
え、帆奈がいなくなった…だと⁉
どこだ、どこに行った。
「ホンダアユモ君、彼女はどこに行った?」
あ、所長が戻ってきた。所長が白衣じゃなくてめっちゃデカいマントを
「いや僕にもわからないです。そういえば少佐が打った薬にはなんか主従関係を築くのも入ってるって聞きましたが。」
「いますぐここを出発しよう。もうじきここも崩落する!」
ここも崩落するのか、なら今すぐ出発しないと。俺は準備できた。
「よし行こう。」
ここの住民はどこに避難させたんだろうか。
「ここの住民は僕の首都に避難させた。あと僕はもう所長じゃないよ。これからは敬語とか使わなくてもいいよ。」
そもそも俺は敬語を使ってないような…。でもまだ国王陛下なんだろ。
「国のことは僕の秘書に任せてあるよ。だから今は国王じゃないよ。」
うわ、ここも家が崩れてる。
「まあどうせあいつは何かやるだろうなと思ってたから僕は彼女に位置を特定できるものを埋めておいたんだ。ふむ彼女はパザルタン庭園にいるね」
ソレイマヌさんはずっと目を閉じてるな。見えてるのかな?
「その何たら庭園はどこにあるの?」
「このまま南に進めばあるよ。そんなに遠くないから安心して。」
そんなに遠くないと言われても歩けば時間がかかりそうではあるがな。でもこの世界にもGPS的なものがあるんだな。
「君はいつから歩くと勘違いしていたんだい?もちろん乗り物はあるよ。僕の特製の飛ぶ床だ!」
なんだそのだっさい名前は。ネーミングセンスはどうなってるのやら。まあそんなことは今気にしてる必要はない。さあ助けに行こう!!
奴が何かする前に助けないと本当に帆奈は改造されてしまうかもしれない。
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