第4話 注目の的!
俺とミギテは各地へ散らばってしまった武装の回収を始めた。
四角い建造物であろう隙間を通り抜けると、そこには沢山の人間の姿が確認出来て、4足歩行の小型生物を連れて歩く男や、数人の若い女が揃って膝丈くらいまでのヒラヒラとした布を身につけている姿も確認出来た。
時々、赤や緑に光る機械から発せられる耳慣れない不快な音が鳴り響いたり、それが赤く点灯すると一斉に人間たちが歩みを止める。
「ジンタイ様、あの4足の生物フワフワしていて可愛いですねー」
「ん? ああ、そうだな……俺たちの星では見たことのないタイプだ。戦闘用というわけではなさそうだし食料か?」
「怖いこと言わないで下さいよー。ちょっと性格を疑ってしまいます」
「そういうなよ……それより、さっきから気のせいか人間たちの注目を浴びているような気がしてならないんだが……」
「おろろ? 言われてみたらそんな気もしますねー。美男美女が珍しいのでしょうか?」
――カシャ!
「うぉ! 敵かっ!?」
音の方へ振り向くと、先程見かけた膝丈くらいある紺色の布を身につけた若い女が2人並んで立っている。
なにやら小型の端末のようなものを俺たちに向けているが、この星にも武装が存在するのか?
――勝手に撮影したら駄目だよ。
――だって、こんな街中であんな露出してるんだから見せたいんじゃないの? SNSにのせたらバズるかも!
何を言っている……あの端末は何の武装なんだ? 若い女から再びカシャッという機械音が響く。
「うぉっ!」
思わず身構えてしまった……攻撃というわけでも無さそうだが……。
「おいっ! そこの人間!」
「あっ、ごめんなさい!」
「し、失礼しました! 撮影した写真は消させます。さ、さよなら」
「なっ! ちょっ、ちょっとまっ……行ってしまった」
何だったんだ、あれは……。
「ミギテ……さっきのは一体……って……ミギテ?」
「あーっ!! 何これー! 大変ですー!!」
ミギテは建物に
「ん? どうしたんだ?」
「見てみて見て下さいー、ほらっ! 左目の下辺りに、わたしの名前が書かれているんです! ジンタイ様がいたずらしたんですかっ!」
本当だ……文字のようなものが……さっきまではそんなものなかったよな……。
「俺は何もしてないぞ? なにが書いてあるんだ?」
「だから、わたしの名前が書いてあるんですよ! ミギテって! あー、なんてことなの。わたしの肌が傷物に……ジンタイ様、絶対わたしをお嫁さんに貰って下さいよ!」
「ハァ……それよりミギテは、それを読めるんだな? 俺にはさっぱりだったぜ」
「ジンタイ様が眠っていらしたときに、色々と解析は済んでいます。何か質問がありましたらいつでもお応え出来ますよ?」
「なるほど……」
しかし、ここは空や建造物の造りなど細かいところに差異はあるが、俺たちの住む星と似ている部分もあるなぁ……人間の存在は俺たちの星の悪魔が時々捕まえてきていたから知ってはいたが……ここは母星といったところか。
――お巡りさん、あそこです!
「ちょっと、そこの2人!」
「ん?」
声の方へ視線を向けると、1人の男がこちらに走ってくる。
「こっちに向かってきているな……」
俺たちの前に駆け寄ってきた男は頭に被った
全身紺色の衣服を身につけているが、さっきの若い女といい、この星の人間は余程この色が好きと見える。
「君たち少しいいかな? 実はこの辺で怪しい2人組がうろついているという通報があってね。話を聞かせて欲しいのだけど……」
通報だと? どういうことだ……見たところ敵では無さそうだが、好意的にも感じない。
「俺たちに何か用か?」
「いやね、君たちなんでそんな肌を露出した格好しているの?」
「なんでと言われても……なぁ、ミギテ」
「そうですねぇ……わたしが美しいからでしょうか?」
「君ねぇ……」
ん? この男……腰に武器のようなものを……こっちは丸腰だ……もしこのまま戦闘なんてことになったら厄介だな。
これ以上、関わるのはやめた方が良さそうだ。
「ミギテ……もう行くぞ」
「えっ!?」
「走れミギテっ!」
「こ、このっ! ま、待てっ!」
相手の装備は見たところ特殊な
「離してよーっ!」
「ん? この声……」
後ろを振り返るとミギテは男に押さえつけられた形で捕まっていた……。
「お、おい……」
なんで人間ごときに捕まってるんだよ……俺の
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