(二)-15

 ジェットコースター乗り場の近くには大きな広場があった。そこにプレハブ小屋で作られた屋台がいくつか並んでいた。それらの屋台はクレープやたこ焼き、焼きそば、ケバブなどの食欲をそそる香りを互いに競い合うかのように通りかかる人に浴びせていた。

 園子と高野ももちろんその誘惑の大攻勢にさらされたものの、そこを通過してその先の建物へ向かった。そこはレストランになっていた。

 そこで園子は、地元の国道沿いにあるファミリーレストラン程も種類も特徴もないメニューの中から、平凡であることが特徴であるかのようなスパゲティ・ミートソースを頼んで注文した。高野は「何を食べるかより、誰と食べるかだよな」と言いながら、大人向けお子様ランチを注文していた。

 そうして食事を終えてレストランの建物を出た後、二人は近くにある湖へと歩いていった。


(続く)

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