(二)-16
遊園地は、入間湖のほとりにあった。そのスワンボートに乗った二人が、湖にこぎ出した。
園子と高野は同じくらいの身長であった。しかし、高野の方が脚力があるようだった。左右の席の足元のペダルはつながって連動しているので、ペダルを通じて高野の足の動きが園子にもわかるのだ。
その力強い動きを、園子はたくましく感じた。さっきまであんなに意地悪してきたのに、今は自分で足を動かさなくてはいけなくて、高野は真面目な顔をしているのだった。ときどき園子の方をチラッと見てくるが、ペダルを足で漕ぐ運動には慣れていないらしく、すぐに真顔戻ってしまう。
園子はそんな高野の表情に、少年のような趣を感じ、同時にかわいらしさを感じずにはいられなかった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます