(二)-14

 結局、凄い勢いで突っ走るコースターは、園子が何が何だか分からずに絶叫している間にあっさり終点に到着してしまった。

 フラフラする頭でアトラクションから降りてきた園子と絶叫マシンを存分に楽しんだ様子の高野は再び近くのベンチに座って小休止することにした。

 相変わらず満面の笑みをこぼすどころかジャブジャブとあふれさせながら高野は「いやあ、すごかったねえ」と園子に話しかけてきた。

 その笑顔を見て、園子は思いついた。高野はもしかすると、自分が怖がる姿を見て楽しんでいるのではないかと。

 そう思うと、園子は高野のことが少しイヤになってきた。学校では勉強も部活もいつも真面目に頑張っている人なのに。

 園子が黙っていると、「そろそろご飯を食べないか」と高野は立ち上がった。

 園子は黙ったまま立ち上がって同意を示した。


(続く)

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