(二)-10

 しかも高野は園子に「豊島さん、大丈夫?」などと笑いながら声をかけてきた割には、千鳥足でアトラクションの出入り口まで向かうのに、フラフラと体のバランスを崩して倒れそうになっていた。

 二人は再び近くのベンチにたどり着き、一休みをした。

 高野は、ベンチに大の字になるような格好で座り、「チョー楽しい!」と何度か声を上げた。

「今日私たちは下見に来たのよ。自分たちが楽しむのは明日なんだよ」

 園子は、はしゃいでいる高野にそう釘を刺した。


(続く)

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