(二)-11

「いいじゃんいいじゃん。だってさ、自分たちが楽しめなければ、他の人に楽しさを伝えられないじゃん」

 そう言って彼は満面の笑顔を作って園子に見せつけた。

 園子は高野のそういう表情を学校ではあまり見たことがなかった。彼の意外な一面を見たような気がした。部活も勉強も熱心だったから、子どもみたいにはしゃぐ彼の姿に少し違和感をも覚えた。もちろんそれが悪いことだとは言わないが、公式な学校行事ではないとはいえ、クラスのイベントなのだ。もっと真剣になって欲しいとも思った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る