第3話 寅 江戸に入る

船は港へ 遠征  2人は東京へ降り立った

遠くにお城が見えている

”あのでかい城はどなんだ?”

”あれは江戸城だよ”

”そうすると こちらが 東京で 向こうが 江戸か”

” まあ そんなもんだ” 先生はニコニコ笑っている


ここに来てもトラは豆腐を先生に出している

先生は近頃 機嫌が悪い


” 分かっちょらん”

寅は豆腐の調合を間違えたか思っている

”分かっちょらん”

ぷんぷんと頭から湯気を立てている

” 豆腐がまずいのか?”

”いや豆腐じゃない” 

強い口調は明らかに怒っている


何日も何日も 先生は豆腐を食べ続けて やがて 梅雨がやってきた

雨の中  ドンドン と花火のような音がして

”東京では雨になると花火をあげるのかいの?” 寅は少し不思議でもあった


先生が帰ってきた  何も言わないが満足そうに笑顔を浮かべて

”出してくれ”  寅に豆腐の要求だ 

先生はすごく満足そうだった


その後も先生は大忙しだった

あっち行き こっち行き 

寅もついて回った

先生は忙しそうだったが 満足そうでもあった

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