第2話

 ドワーフ。

 高度な鍛冶や工芸技能を持ち、外観は男女共に背丈が低いものの力強く屈強。

 全員が褐色肌に全身を分厚い体毛に覆われているのが特徴的な種族であり、男女ともに生えている体毛はドワーフにとって何よりも大事なものとなる。

 

 体毛に魔力を流すことで耐熱性能を上げ、業火の前で鍛冶をするドワーフの身を熱より守るだけでなく、その体毛を金属と混ぜて溶かすことで鉄の強度を底上げすることが出来る。

 ドワーフの体毛はドワーフの高度の鍛冶、工芸技能を支える大事なパーツなのである。

 

 基本的にドワーフの国で鍛冶をするのは男性であり、女性は己の体毛をすべて剃り、鍛冶の材料にしている。

 何故か下の毛と脇毛だけは剃らないけど。

 

 ちなみにドワーフは背が小さいが、男性の場合は背は小さいけど毛むくじゃらでビール腹で横に広いのでショタのようにはならないが、女性の場合は毛は剃っているし、どれだけ食べても太ることのない種族なので、全員等しく可愛いロリである。


 結果。

 爆誕するのは脇毛と下の毛が生い茂る剛毛褐色合法ロリという属性過多な女性が街を闊歩することになった。

 

 多分、そのルールを決めた人の性癖だと思う。

 日本人並みの性癖こじらせドワーフが居たのだと思う。


「……はぁー」

 

 体毛のは扱いはドワーフたちにとって何よりも大事なものであり、男子であれば父親に体毛への魔力の流し方を教わるし、女子であれば母親に体毛の剃り方を伝授される。

 ドワーフであれば5歳ほどで毛が生え始め、8歳にもなれば全身毛むくじゃらになる。

 そんな中、8歳になっても毛の生えなかった僕はドワーフ失格の烙印を押され、追放となったのである。


 あっ。ちなみにちゃんと髪の毛は生えているよ?ハゲではないよ?

 ドワーフの髪の毛は個人差はあるが、ある一定のところまで伸びたらそれ以上伸びなくなり、髪の毛が阿呆みたいに固くて切ることも出来なくなる。

 ……触っている分にはサラサラ何だけどね。刃物を向けられると強靭な硬さを発揮する。

 

「あ、ゴール?」

 

 僕がこの世界のドワーフについて思い出していると、目的地についたのか、僕を運んでいた鳥が地面へと降り立つ。

 僕を地面へと叩き落とす……良かった。海に捨てられるわけではなさそうである。


「キーッ!!!」

 

 僕を地面へと落とした鳥は元気よく飛び立ち、ドワーフの国へと帰っていく。


「さて、と……最悪のパターンである鳥から落とされた瞬間即死!みたいな事態は避けられたけど……まだ8歳である僕が見も知らぬ土地に一人ぼっちというのは普通に死ぬよな」

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