インTheスカイwithユー

gaction9969

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 バイト先の居酒屋の厨房でクールな顔してぽつりと奇抜なひとことを周りの空気なんか気にも留めずにふわり浮かばせてくるキミの事が何か気になり始めて、若手懇親旅行という名の下心が渦巻き過ぎてる陽キャ先輩らとの西表島一泊三日という無駄に弾丸なツアーに試しに誘ってみたら何と来てくれることになって浮かれつつも最安の旅行会社なのに全然旅費が足りないことに気づいて親に下げたくもない頭を下げて何とか参加した僕なのだけれど、世界自然遺産は伊達じゃなくて空と海と島に巻かれながら昼夕夜と一緒に過ごしていると開放的な気分と時折見せるキミの笑顔が僕を後押ししてくれてるようで、酔いつぶれた先輩らの介抱もそこそこに天然のプラネタリウムへと二人きりでの散歩でもと促したらあっさりOKいただいてもうこれはいけんじゃねと居住まいを正してみたりするけれど、この満天の星空よりも輝いて見える笑顔を振り向けながら、「ケンタウロスを呼ぶ笛があったら、それは絶対『人馬笛ジンバブエ』って名前だよね」とかキミがまた突拍子も無いことを言うから、島風が身体を巻き包む清々しい最高のシチュエーションなのに僕はキミが好きだということをまだ告げられないままでいる。

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