第6話 これからどーします?


「ぷはーっ、生き返るー!」


いい事したあとのエールって飲み物はうまいですなあ。無事武器もゲットしたし、幸先いいですなあ。


司はエールを飲んだ際についた泡髭をペロリと舐めとる。


一方まなはというと、先ほど起きたネットヤンキーとのことをばる達とわいわい話していた。


「…え!?そんなことできんの!?」


「流石司くんだなあ。そんな動き方思いつきもしないな」


「それでね、消えたと思ったら急に空中から現れんの!ガチやばかったぁ」


その後もわいわいとみんなでエールを囲んで談笑を楽しんだ。



「ここで一個提案がありまーす!」


と言って急に立ち上がったのはばるだった。


「今から現実時間の三日間は各自で行動して、誰が一番いい装備を集めれるか競争しようぜ!」


それに対し応えたのはシャンパンエールを飲むみーさんだった。


「いいけどなんか急だね。せっかく協力できる人がいるのにした方がいいんじゃない?」


たしかにみーさんの言うとおり、各自で行動するよりもみんなで協力し合う方が効率はいい気がする。なんでばるはこの提案をしたんだ?


「まぁもちろん理由はあるぜ。まず一つは俺ら1人1人がゲームがうまいってことだ」


まぁたしかに、みんなプロゲーマー顔負けくらいの実力はある。


ばるは話を続ける。


「司は言うまでもなく世界最強。まなも元ZONE DAYプロゲーマー。みーさんは運とタイミングを掴み取る謎体質、そして俺は瞬間記憶能力。それぞれいいところがある。」


なるほどね…でもそれならお互いの足りないところをカバーし合う方がいい気がするけどなあ。


「それだけ聞くとカバーし合う方がいいと思うかもしれない。しかし俺たちには共通するある一つの性格がある。はいわかる人!」


ばるは手を挙げるように急かす。しかしみんなうーんといった表情だ。


「わかってねーのかー?しゃーない答え合わせだ。俺たちは1人1人が生粋の"負けず嫌い"だ!競争の中にこそ莫大な利益を生み出せるってわけよ!」


他の3人はなるほど!といった表情だ。


負けず嫌い、それはゲームに限らず何事を成功さすには必要不可欠な要素である。 

あいつに勝ちたい、あんな奴に負けたくない、人間は気持ちが動力源となった時初めて自らの最高のパフォーマンスを出すことができる。


「ばるの言い分はわかったよ。うちは3日間各自で動くにさんせー。どうせ私が一番いい装備手に入れてるし」


「いーや俺だね。こういうのは提案者が一位になるって決まってんだよ」


「私は運いいからなぁ。ぶらぶらしてたら勝手に一位になっちゃいそう」


「いやー武器ってどうやって集めたらいいんだ?」


世界最強の男を除きみんな自信に満ちた心構えだ。


そうして4人は3日後、再びカナリアでの再会を約束し旅立った。


そしてこの中の誰かがまさか後に語り継がれる伝説を作るとは、この時はまだ誰も思っていなかった。

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