第2話 SNS

baluluとアポナイをする約束をして3日が経った。今日は祝日で学校は休校だ。


「ふぁー、このゲームも簡単だなあ」


司はZONE DAY以外にもさまざまなFPSゲームに手を出している。そのどれを持っても司は世界トップの実力を誇っていた。


「とりあえずどのゲームも連勝記録伸ばしたし暇だなあ。課題する気はないし……」


司は何か暇つぶしになることを考える。ここで彼は閃いた。


「そうだ、久しぶりにPOGでも開くかあ。」


POG、略さず読むとPoint of GAME。

ゲームをしているほとんどの人がしているであろうこのアプリは、ゲーム仲間を見つけたり、自らのclipを乗っけたり、呟いたりコミュニティを作ったりなどゲームのお供にもってこいのアプリである。


司も以前アカウントを作成し、無事運用できるか確かめるために一言"a"とだけ投稿したことがある。


アカウントが身バレした今、その投稿には60万を超えるいいね♡と"a"に関する様々な考察が繰り広げられていた。別に深い意味一個もないけど…


お、まだアカウント残ってる。なつかしー。通知うるさすぎて消してたからまた1からかと思ったけど助かった。


司は少しアプリを触ってみる。 


え、もうアポナイのコミュニティできてるじゃん。やっぱりすごい人気だな。


やっぱりMMOだし友達は多いに越したことないからおれも募集しとくか。


—————————————————————

 ⬛︎ end           1秒前


最近世間ではコンピュータとか言われてます

けどちゃんと人間だお^_^

アポナイ俺もやるから仲良くしてほしいな(^^)


コメント 0 ♡ 0

—————————————————————


よし、呟き完了。ゆーても20人くらいのコミュニティだし、数人と絡めたらそれでいいかな。そういや昼ごはんまだだから軽く何か作るか、、


そう思い立ち上がった司がキッチンへ行かんとするその時だった。


——ピコピコピコピコピコピコピコッ——


机の上に置いてあるスマホが鳴り響き出した。


えなになになになになに?


司は急いで携帯を取りに行く。

見るとPOGからの通知が100件以上来ていた。


何がおこってるんだ?

コミュニティの人数は20人程度、こんなに通知来るわけない。誰かがイタズラで何か送ってきたのだろうか。


しかし司のその予想は外れていた。


アプリを開き確認すると20人しかいなかったコミュニティが何故か10000人を超える大規模コミュニティとなっており、その数は更新するたびに1000人単位で増えていっていた。


な、何が起こってんだ……


司はまさかと思い自らの投稿を確認する。


—————————————————————

 ⬛︎ end           2分前


最近世間ではコンピュータとか言われてます

けどちゃんと人間だお^_^

アポナイ俺もやるから仲良くしてほしいな(^^)


コメント 100件以上 ♡ 6030

—————————————————————



先程の投稿には2分前とは思えないコメント数といいね数がついていた。見てみると明らか自分のファンみたいな人からもコメントが届いていた。


*うおおおおおおお!endのアカウントがうごいたぞぉぉぉぉぉぉお!*


*やっぱりコンピュータじゃなかったんだよ専門家の○○!*


*end様ぁぁぁあ♡私もアポナイするから仲良くしてえええええ♡*


*アポナイする気なかったけどおれもやろっかな*



……what the fxxk...



DM欄もえぐいことなってるて。何件溜まってんだこれ、、、てかあのぉ、裏POG女子ってなに、、?DMバカ来てるんだけど。


だめだ。仲良い人見つけるどころかプレイヤー全員と仲良くなれちゃいそう。それじゃヌルゲーになってしまう。当分は一人かbalulu達と進めていこう。


スマホの通知を切って台所へと向かう司であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る