36,英雄は止まれない
「……外が
ベッドの上で
ベッドに
特にアキヒコさんは普段、薬の
「どうしましたか?」
「いえ、何か外が騒がしくなってきたなと。何かあったんですか?」
「……ええ、まあ
アキヒコさんは
少し、
「何かあったんですね?」
「……………………」
「教えてくれませんか?何があったんですか?」
「…………おとなしく
「……
俺の返答に、アキヒコさんはそっと溜息を吐いた。やはり、何かあったらしい。
「ユキさんが、エリカさんとアキト君を
「っ‼」
ベッドを飛び出そうとした俺の腕を、アキヒコさんが
だが、それでも俺は
「ぐっ、ごほっごほっ‼」
「……そんな状態で
「元より死ぬつもりは一切無いっ」
「何処にそんな
「…………すみませんが、それは
「
アキヒコさんの疑問に、俺は口元の血を雑に
「俺にとって、自分が何も出来ないまま
「その
「さっき言った通り、元より死ぬつもりはないです」
「……………………はぁっ、全く。せめてこれを
「……?これは?」
渡されたのは、一錠の薬だった。カプセルタイプのアレだ。
「
「……分かりました。では、行ってきます」
机の上に置いてあるボトルを取り、薬を水で
薬を飲み
・・・ ・・・ ・・・
「……お前、医者として
クロノ君が部屋を出た後、そっと部屋にツルギ君が
ですが、それを他でもないツルギ君に言われるのもどうかと思います。ツルギ君、貴方がそれを言いますかと。私はそう声を大にして言いたい。
「ツルギ君、
「……さて、なんの事やら」
「とぼけないで下さいよ。ツルギ君が言ったのでないなら、誰があの
「…………分かってるよ。けど、俺だって俺なりに
「……一つ言っておきます。ユキさんも皆と変わりなく
「……………………」
ユキさんの
彼女ほど、皆の為に
・・・ ・・・ ・・・
俺が集落の外へ出ようとすると、ヤスミチさんに
「おい、クロノお前何をしてるんだ!お前は寝てなくちゃ
「止めないで下さい、ヤスミチさん。俺はユキを
「駄目だ、病人のお前が行くような事ではない。でなきゃ、ユキを
「見逃した?」
「っ⁉」
俺の
俺は、ヤスミチさんに向き直り聞く。
「……ヤスミチさん、もしかして全て分かっていてユキを
「………………………………」
ヤスミチさんの沈黙に、俺はそっと溜息を吐いた。どうやら
そっとヤスミチさんに
「……ヤスミチさん、俺はな。きっとユキの事が
「お前、何を言って?」
「ユキだけじゃない。エリカやアキト、ツルギやアキヒコさん。それに集落の
「……………………」
「だからな、俺はこの世界を。皆を救いたい、そう
その言葉を残し、俺は今度こそ集落の外へ出ていく。ヤスミチさんは、それを止める事が出来ずに黙り込んでいた。
……集落を出て、少し
だが、
そんな俺の脳裏に、アインの声が
『……本当に良いのだな?』
「ああ、
『死ぬぞ?今度こそ……お前の身体は
「言っただろう?元より死ぬつもりは……
加速燃焼させた意思の力により、俺の身体に炎が
だが、構わない。元より俺はこれで死ぬつもりはない。そもそもこの程度で死ぬようならその程度の
異能が俺の命を焼き尽くすのが
俺はユキの放つ意思の
「ユキっ‼」
「っ、クロノ君⁉どうして‼」
ユキが一瞬だけ意識を金獅子から
「ガアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッッ‼‼‼」
まずいっ‼あの先には……
ユキの吹き飛んだ先には、大きな
「くっ……間に合え‼」
俺は、ユキの吹き飛んでゆく先へと身体を
「がっ⁉」
瞬間、俺は強く大岩に身体を打ち付け意識を闇へと
……動かない。身体が動かない。いや、そもそも此処は
俺は
何も分からない。
「……きろ、
何だ?一体誰の
「起きろ、
っ⁉瞬間、俺の
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