28,葛藤と憎悪の果て
「…………う、ん」
目を
其処まで思い出して、私は思わず苦笑を
恐らく、もう時間は
「……って、あれ?クロノ君?」
今、
もしかして、
首を
「あれ?っかしいな……お、目を
「どうしたの?ツルギ君」
少し、
すると、ツルギ君は一瞬何かを考えた後で私にとんでもない話をした。
「……いや、さっきからクロノの
「っ‼」
身体が
ツルギ君だ。
「……どこに行く気だよ?」
「クロノ君を
「そんな身体でか?
「……っ、そんな事‼」
言いかけた私の腕を、ツルギ君は強く
「いいから
「………………………………」
私は、思わず顔を
そう思う私を
「……助けられた命、無駄にするな。あいつの気持ちを今は
そう言って、ツルギ君は部屋の外へと出ていった。私は、部屋の中で
・・・ ・・・ ・・・
我らにとって、
彼女こそ、我らを統べる
しかし、それでも我らは思う。それでも私は思う。これ以上、人類どもの味方をして母が苦しむ姿など見たくはないと。そんな姿、私は見たくない。見ては居られないのだ。
何故、其処までして母は苦しみしかない
人類は所詮、母を
そう、所詮人類は母を許しはしない。母の味方でいられるのは、我らしかいないのだから。
そして、同時に我らには母しか居ないとも
そして、我らは母をいたずらに苦しめる
必ず―――そう、
しかし、母はそれを許しはしないだろう。どうあっても
我らは断じて許しはしない。断じて、
あの時、我らの希望を
それが、あの日我らが―――私が魂の
我らが、私が
・・・ ・・・ ・・・
「……
どうやら、私は夢を見ていたらしい。ずいぶんと
まあ良い。どの道、奴等はこのまま皆殺しにするのだから。例え、夢の中でも戦意を失わないのはむしろ
そう、奴等は等しく皆殺しだ。きっと、母もそれで目を
それに、他でもない母を苦しめるだけの人類など
……母はきっと
だから―――
「……よう、やはりまだ
「っ⁉」
突然、洞窟内に声が
何故、此処に?今更何をしに来たのだ?疑問が思考を
しかし、少年は私の方を見て笑みを浮かべるのみ。いっそ
いや、
顔色も、僅かに青白い。大量の血でも
だが、そのやせ我慢の笑顔を見ただけで私の思考を純粋な
それとも、
今はどうでも良い。来たならば殺すのみだ。
「
私は
だが、少年は静かに首を横に振る。どうやら
なら、
「私を
「違う。俺はお前と
「……何だって?」
思えば、周囲に
分からない。分からないが、少年の表情に
相変わらず穏やかな……しかしどこか
「俺はお前と話しがしたい。別に、俺はお前自身に
「……………………」
理解不能。意味不明。
こいつは一体何を言っているんだ?何が言いたいんだ?理解出来ない。意味が分からない。人類と我らは
その筈なのに。その少年にはそれが
そんな私の困惑を理解したのか、少年は苦笑気味に言った。自身の目的を。
「俺はただ
少年の言った、その問いに私は思わず目を
その問いが
こいつ、
「……貴様、
「ユキは自分の事を重罪人だと言っていた。償いきれない
「……………………」
しかし、同時にこうも思う。其処まで勘付いていながら、それでも
思わず、そう
そんな事はない。それこそ、
私の脳裏に、一人の男の姿が
あの悪魔のような
……………………
……思わず
気分を
「良いだろう、お前には
「分かっているさ。全て、
そう言って、少年は表情を引き
———ああ、なるほど。
私は思わず
納得して、私は話し始めた。全ての真実を。
黒く
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